認知症になっても住み慣れた地域で普通に暮らしていける環境が整っていること、生活を妨げる障壁が排除されていること。それを「認知症バリアフリー」と呼ぶという。
厚生労働省は8日、認知症バリアフリーを推進していく方策を話し合う懇談会を開催した。出席した根本匠厚労相は、「我々も取り組みをさらに強化していく。この言葉と考え方を日本中に広げていきたい」と述べた。
懇談会にはみずほフィナンシャルグループやイオン、小田急電鉄など民間企業の幹部が参加。認知症の高齢者がさらに増えていく今後を見据え、既に始めている独自の取り組みをそれぞれ発表した。
例えばみずほは、認知症の高齢者が資産をより安全に管理していけるようにする試みを紹介。イオンは認知症の人が来店する機会も多いとし、「行政や地域包括支援センターなどといかに連携していくかが課題」と説明した。
厚労省はこの懇談会の成果を、今年5月にもまとめる新たな施策の大綱に反映させる方針。
来月には産業界を広く巻き込んだ「日本認知症官民協議会」を立ち上げる予定だ。根本厚労相はこの日の会合で、「皆で一緒になって共に生きる社会を作り上げたい」と呼びかけた。
関連記事
新着記事