最重要課題の健康寿命の延伸に向けた動き。今後の目玉施策の1つだ。
介護保険法など8本の法律を束ねた改正医療・介護関連法が15日の参院本会議で可決、成立した。
地域で開催される高齢者サロンなどの“通いの場”を高機能化する措置が柱の1つ。介護保険の地域支援事業と、後期高齢者医療制度のもとで運営されている保健事業とを、お互いの強みを持ち寄る形で一体的に展開していく構想だ。来年度から本格的に動き出すことになる。
現状、地域支援事業の“通いの場”は医療の視点が乏しいと言わざるを得ない。一方の保健事業は、検診などに大きなウエイトが置かれており社会参加の要素が欠けている。
そうした問題意識がベースにある。制度間の縦割りで別々に行われている現状を改め、もっと効率的で高い成果の出る仕組みへと改良する狙いだ。
例えば、保健師や管理栄養士、歯科衛生士、リハ職などが“通いの場”の企画、コーディネート、オペレーションに深く関われるようにする。参加者どうしの関係づくりや体操・運動、趣味活動といった既存の取り組みにとどまらず、病気の予防、重症化の防止、健康相談、口腔管理、フレイル対策、必要に応じたアウトリーチなどもワンストップで提供していく。専門職を配置するための経費は、後期高齢者医療制度の保険者や国などが捻出する。
改正法はこうした計画の具体化に向けて、国や自治体、保険者の責務、役割、連携のあり方などを定めるもの。市町村が事業の基本的な方針を策定することや、保険者間で高齢者の情報を円滑に共有できるようにすることなどが含まれる。事業の一部を民間へ委託することを認める規定も盛り込まれた。
関連記事
新着記事