安倍晋三首相が22日に自民党本部で記者会見を行った。
参院選の結果を振り返り、「安定した政治基盤のうえに新しい令和の時代の国作りをしっかりと進めよ、という力強い信任を国民の皆様から頂いた」と総括。「自民党の総力を結集し、一丸となって取り組まなければいけない。その確固たる決意を新たにした」と述べた。
そのうえで言及した具体策は3つ。少子高齢化への対応、アベノミクス、憲法改正だ。
「最大の課題」と強調した少子高齢化への対応では、「すべての世代が安心できるものへと社会保障全般にわたる改革を進めていく。今後、具体的な議論を加速していく」との意向を示した。
政府は2021年度の介護保険制度改正の方向性を今年の年末に固める方針。厚生労働省はこの秋から検討を本格化させる。利用者の自己負担の引き上げや総合事業の見直しなどが大きな争点だ。来年4月には次の診療報酬改定も控えており、今後は医療サイドの動きも活発になっていく。選挙戦を念頭に控えられてきた社会保障費の抑制をめぐる議論が再燃しそうだ。
ただし、安倍首相が憲法改正などに向けて早期の衆院解散に踏み切るという見方も出てきた。再び“選挙モード”に突入すれば、痛みを伴う改革がさらに先送りされる可能性もある。今年の年末に政府がどこまで踏み込んだ判断をするか、が当面の最大の焦点となるが、まだ不確定の要素も多い。
安倍首相は22日の会見で、「高齢者の安心もしっかりと確保する。特に厳しい状況に置かれている方々にこそ光を当てていく」と説明。具体策として、消費増税の財源で10月から行う低所得者向けの介護保険料の軽減などをあげた。
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