厚生労働省は19日、ホームヘルパーの有効求人倍率が15倍を超えたと明らかにした。【青木太志】
来年4月の介護報酬改定をめぐる協議を重ねている審議会に、直近の2019年度は15.03倍にのぼったと報告した。
訪問介護の事業所にとってヘルパーの確保がいかに難しいかを示すデータ。仕事を探すヘルパー1人に対して、15人分以上の求人がきていることを意味する。
働く環境や賃金などを考慮して他の職場を選ぶ人が多い。初任者研修の修了など資格が必要なこともネックになっている。在宅生活を続けるうえで必要なサービスを十分に受けられない高齢者が更に増える懸念が強い。
厚労省は審議会で、ヘルパーの処遇改善、業務の効率化に向けた具体策を検討していくと説明。現場の関係者で構成する委員からも、事態を好転させる手を早急に打つよう求める声が相次いだ。次期改定の大きな焦点になるとみられる。
審議会に報告された有効求人倍率は以下の通り。この5年で急激に上昇したこと、介護職の中でもヘルパーが特に深刻なことが一目瞭然だ。
ヘルパーは高齢化も進んでいる。厚労省は審議会で、60歳以上が39.2%を占めるに至った(*)と報告。70歳以上は全体の10.5%と1割を超えたという。
3年前に示された同じ調査結果では、60歳以上が36.4%、70歳以上が6.6%だった。今後、歳を重ねてリタイアするヘルパーが一段と増加していく見通し。
* 2018年度の「介護労働実態調査」の結果より厚労省が集計。3年前は2015年度の同調査より集計。
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