社会保障審議会・介護給付費分科会が来年4月の介護報酬改定に向けて19日に実施した関係団体ヒアリング − 。日本認知症グループホーム協会は、現行で1ユニットごとに1人とされている夜間の人員配置基準の緩和を求めた。【Joint編集部】
「介護人材の不足が深刻化する中で、特に夜勤者の確保、シフト調整に大変苦慮する状況」と説明。1ユニットごとに1人を原則としつつ、2ユニットで1人の体制も条件付きで認めて欲しいと要請した。その条件としては、見守り機器の導入や緊急時対応要員(オンコール在宅宿直)の確保などをあげている。
グループホームの夜間の人員配置基準は、多くの入居者が犠牲となった火災が起きたことなどもあって段階的に厳格化されてきた経緯がある。
グループホーム協会は、「スプリンクラー設置の促進など対策の強化により、その後重大な火災は発生していない」と指摘。「見守り機器の性能が高まり、夜勤者の業務効率化などに役立っている」との見解も示した。
施設など他のサービスの事業者でつくる団体も、こうした協会の主張を概ね支持するスタンスをとっている。一方で、大規模な自然災害に対する備えの重要性が一段と高まっているなか、人員配置基準の緩和には慎重な意見も少なくない。既存の職員の負担が更に重くなること、サービスの質が低下することを懸念する関係者も多く、次期改定をめぐる争点の1つに浮上している。
グループホーム協会は今回、「ユニットごとに1人を配置し、見守り機器の導入や緊急時対応要員の確保などを行った場合には、入居者の更なる安全強化への評価をして欲しい」とも注文した。厚生労働省は今後さらに議論を深め、年内に対応策を固める方針。
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