厚生労働省は26日の専門部会で、高齢者や医療従事者などにインフルエンザワクチンを早めに接種するよう呼びかける方針を決めた。【北村俊輔】
細部を詰めた後、来月にも自治体へ事務連絡を出して協力を要請する。接種開始は例年通り10月1日から。
今冬のインフルエンザワクチンは、近年では最多の約6350万人分が供給される見込み。その一方で、新型コロナウイルスの影響で予防の意識が高まって需要が大幅に伸び、一部で不足しかねないと懸念されている。
このため厚労省は、重症化のリスクや社会的な役割などを踏まえて早めに接種した方が良いと考えられる人に対し、タイミングを逃さないよう促すことにした。
具体的には、10月前半から65歳以上の高齢者へ接種を呼びかけていく。10月後半からは、日本感染症学会が推奨する医療従事者、基礎疾患がある人、妊婦、小学校2年生までの小児へ対象を拡大する。
対象者以外も接種できないわけではない。厚労省は高齢者らを中心としつつ、できるだけ幅広いニーズに応えられるようにしたいと説明している。
介護職員は優先接種の対象として明確に示されてはいない。早期接種が可能か否かは、地域の供給状況や現場の判断などに左右されるとみられる。
専門部会ではこのほか、今冬のインフルエンザの流行と新型コロナウイルスの感染拡大に備え、医療機関の外来・検査体制の強化を進めていくことも確認された。
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