厚生労働省は来年度から、介護の専門職を目指す若者を後押しする新たな施策を開始する計画だ。【Joint編集部】
福祉系高校に通って介護福祉士を目指す学生に対し、必要な学費を貸し出す仕組みを新設する。卒業後、3年間にわたり介護の現場で働けば返済を全額免除する。深刻な人手不足の解消につなげる施策の一環。
先月末に財務省へ提出した来年度予算の概算要求にこうしたメニューを盛り込んだ。今後、年末にかけて十分な財源の確保を図る。
高校生への支援は文部科学省を中心に実施されているが、厚労省は今回、その中でカバーされていない部分に着目して学費を貸し付けることにした。実習に使う衣服の購入費や交通費、国家試験の対策費など、福祉系高校ならではの“かかりまし経費”を対象とする。
例えば、実習費として1年に1回3万円、国試対策費として同4万円を支給する考え。また、就職準備金として卒業時に20万円を支払う方向で調整を進めていく。返済免除の条件は3年間の従事。本人が大学へ進学する場合、在学中に限って返済は猶予される。
厚労省は既に、介護福祉士を目指して大学や専門学校に通う人へ同様の貸し付けを行っている。福祉系高校の学生を対象に含めるのは今回が初めて。介護職の魅力の発信、イメージの向上などと併せて施策を展開していく方針だ。
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