政府は7日、菅義偉政権で初めての規制改革推進会議を開催した。【青木太志】
デジタルトランスフォーメーションの推進を当面の重点課題に位置付けることを確認。これを阻害している規制・制度を「大胆かつ緻密に見直す」方針を共有した。介護分野も対象として明記されており、官邸が力を入れるデジタル改革の波は業界にも及びそうだ。
菅首相は席上、「デジタルの持つ可能性が十分に発揮されるよう改革を進めて欲しい」と指示。「できるものからすぐ改革につなげていきたい」と意欲をみせた。委員からは、「医療・介護はデジタル化が最も遅れている」との声があがった。
規制改革推進会議はこの日、新型コロナウイルスの流行を踏まえて導入した時限的な措置の恒久化や、押印・対面を求めているルールの見直しなどに取り組むことも確認した。河野太郎担当相は会合後の会見で押印について、「各省庁でどんどん効率化してもらいたい。民間と民間の関係でも法令で規定しているものは、早急に廃止する方向で検討していきたい」と述べた。
介護分野の最大の焦点は来年4月の報酬改定だ。厚生労働省は現在、サービス担当者会議のオンライン開催を平時から容認したり、事業所が利用者から同意を得る際のプロセスを改めたりする案を俎上に載せている。具体策を打ち出すのは今秋。DXに力を入れる菅政権の後ろ盾もあり、思い切って踏み込みやすい環境が整いつつある。
この日の会見で、規制改革推進会議の小林喜光議長(三菱ケミカルホールディングス会長)は以下のように語った。
「日本の社会は非常にアナログだが、コロナ禍がトリガーとなって国民の認識がドラスティックに変わりつつある。21世紀はデジタルを除いて発展できない。日本人はいったん認識すれば、一気にガーッとそちらへ転換していくと思っている」
関連記事
新着記事