財務省の財政制度等審議会の分科会は8日、社会保障をテーマに議論した。【Joint編集部】
財務省はこの中で、医療保険・介護保険で高齢者に支払ってもらう自己負担の設定方法に言及。金融資産の保有状況を十分に反映させるべきだと主張した。また、75歳以上の医療費の自己負担はなるべく多くの人を2割にすべきだと訴えた。
会合では多くの委員がこれに賛同。12月にまとめる意見書に盛り込む方向となった。
財務省は今回、「高齢者は現役と比べて、平均的に所得は少ないが貯蓄は多い」と改めて強調した。
そのうえで、「低所得の高齢者が相当の金融資産を持つケースもある」とし、所得のみを勘案して自己負担を決める制度は不公平だと指摘。これを解消する仕組みの検討を前進させるよう促した。
現行で原則1割となっている75歳以上の医療費の自己負担については、「可能な限り広範囲で2割負担を導入すべき」と提言。「支え手である現役世代の負担が重くなっている」と理解を求めた。
政府は既に2割負担を導入する方針を決めており、年内に対象範囲を固める予定。日本医師会などは一部の所得層に限るよう働きかけており、既に綱引きが激化している。
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