厚生労働省は来年度の介護報酬改定に向けて、ショートステイの長期利用の減算を要支援の高齢者にも拡大する検討に入った。【Joint編集部】
15日に開催した社会保障審議会・介護給付費分科会で、要介護の高齢者と同様に減算してはどうかと提案した。宿泊が30日を超え、自費の日を挟んで利用を続けるケースが対象となる。年内に方針を決定する。
ショートステイの介護報酬は、連続で30日を超えると算定できない決まり。自費の日を挟んで再び給付を受けることは可能だが、そうすると1日あたり30単位の減算となる。長期利用の高齢者の場合、新規受け入れの際に必ず生じる特別な手間(*)がかからなくて済むためだ。
* 例えば、当初は施設での生活に慣れるための様々な支援が必要となる。
現行、この減算は要介護の高齢者にしか適用されない。特別な手間が生じない点は同じだとして、厚労省は要支援の高齢者も対象に含めたい意向を示した。
会合では委員から目立った反対意見は出なかった。ただ、「なぜ要支援の高齢者まで長期利用になるのか。基本的に理由はないはず」「長期利用になる要因をしっかり把握・分析すべき」との声があがった。「ショートステイの長期利用で本入所を待つ“ウェイティング”の人が増えている」と指摘する委員もいた。
こうした議論を受けて、厚労省の担当者は以下のようにコメントした。
「本来、ショートステイは在宅生活を支えるためのサービス。やむを得ず入所と変わらないような形で利用されることもあるが、やはり『在宅生活を支える』という本来の趣旨が発揮されていくように誘導すべきものと考えている」。
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