来年4月の介護報酬改定に向けて通所介護の「入浴介助加算」の見直しを検討している厚生労働省は、新たに創設する上位区分の要件の骨格を決めた。【Joint編集部】
専門職らが利用者宅を訪ねて浴室の環境を確認すること、それを踏まえた個別計画を多職種連携のもとで策定すること、計画に沿った個別の入浴介助を事業所で実際に行うことなどを求める。利用者宅の浴室が、本人の力で、あるいは家族の介助によって入浴することが難しい環境にある場合は、可能な範囲でその改善を図る(*)ことも要件とする考えだ。
* 専門職らが必要な福祉用具の導入や住宅改修について助言をすることなどが検討されている。
利用者がそれぞれの住まいでなるべく自立してお風呂に入れるようにする、という視点に立った質の高い入浴介助の実践を促す狙いがある。
厚労省は18日にまとめた社保審・介護給付費分科会の「審議報告」に盛り込んだ。単位数も含めた詳細は年明けに公表する。
利用者宅を訪問する専門職の範囲としては、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員などを想定。厚労省はこれまで介護福祉士を明示的に含めた形の説明はしてこなかったが、18日の会合で対象に加える意向を明らかにした。取材に応じた担当者は、「現場の関係者の意見も踏まえて判断した」と話した。
このほか、医師や理学療法士、作業療法士については、外部の訪問・通所リハビリテーション事業所との連携によって確保することも容認する構えをみせている。
入浴介助加算の現行の区分は単位数を引き下げる方向。厚労省は「審議報告」に以下のように記載している。
「現行の区分は、多くの事業所で算定されていることを踏まえ、また、新たな上位区分の取り組みを促進する観点から、評価の見直しを行う」
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