来年度から本格的な運用が始まる介護保険のデータベース「LIFE(*)」− 。その活用を事業者へ促す新たなインセンティブを、厚生労働省は4月の介護報酬改定で各サービスに創設する。【Joint編集部】
* 今年度まで「CHASE」や「VISIT」と呼ばれているDB。来年度から呼称が「LIFE」に統一される。
新たなインセンティブは「科学的介護推進体制加算」。施設系、通所系、居住系、多機能系のサービスが対象だ。幅広い関連情報を「LIFE」へ提供するなどハードルは低くないが、利用者1人ごとに以下の単位数を算定できる。
18日、社会保障審議会・介護給付費分科会で単位数などが公表された。
算定要件は大きく2つある。1つ目は、全ての利用者の心身の基本的な情報を「LIFE」へ送ること。例えば、ADL値や栄養状態、口腔機能・嚥下の状態、認知症の状態などが含まれる。
2つ目は、「LIFE」からのフィードバックを十分に活用すること。ケアのあり方を検証してケアプランやサービス計画を見直すなど、現場でPDCAサイクルを回すことが求められる。施設系サービスの加算(II)も同じ要件だが、詳細な既往歴や服薬状況、同居家族の状況など、更に多くの情報を提供する必要がある。
加算を新設する狙いは、エビデンスに基づく科学的介護の基盤として「LIFE」を育てること、自立支援・重度化防止の観点から効果的なサービスの展開につなげることだ。この文脈の施策は今回の改定の目玉 − 。そう捉えている関係者は非常に多い。個別機能訓練加算など既存の一部の加算でも、関連データの提出やフィードバックの活用が新たに評価されることになった。
厚労省は今年度中に算定要件の詳細や留意点などを示す。現場に提供してもらう利用者の情報については、「サービスごとの特性や事業所の事務負担などを考慮して設定する」としている。
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