いよいよ来月に迫った介護報酬改定では、介護職員の処遇改善加算と特定処遇改善加算の算定ルールも変更される。厚生労働省は16日、その細部を規定する通知を全国の自治体へ発出した。介護保険最新情報のVol.935で周知している。【Joint編集部】
新年度から大きく変わるのは、賃上げ以外の要素にフォーカスした「職場環境等要件」。求められることが従来よりも増える。
厚労省は今回、事業所が行うべき施策をまとめた既存の表(通知の表4)をアップグレード。通知の中に盛り込み、これに基づく取り組みの推進を要請した。職場環境等要件の実効性を高めることが狙いで、加算ごとに異なるルールを設定している。
まずは特定処遇改善加算。新たな表は6つのカテゴリ(*)で構成されているが、このカテゴリごとに1つ以上の施策を実施することが必須とされた。これまでは過去の取り組みを含める扱いも許されたが、今後は年度ごとに必ず行っていかなければいけない。
* 入職促進に向けた取り組み、資質の向上やキャリアアップに向けた支援、両立支援・多様な働き方の推進、腰痛を含む心身の健康管理、生産性向上のための業務改善の取り組み、やりがい・働きがいの醸成、の6つ。
ただし、新年度のみに限定した特例も創設される。6つのカテゴリから3つを選び、それぞれ1つ以上の施策を実施すればよいという。現場の負担を考慮した経過措置だ。厚労省は今回の通知で新たに発表した。
一方、(普通の)処遇改善加算。その数に関する縛りはないが、新たな表の施策のいずれかを年度ごとに必ず行っていくこととされた。過去の取り組みは同じく認められない。特定処遇改善加算で進めている施策と重複していても、ルール上は問題ないとされている。
今回の改定ではこのほか、特定処遇改善加算の事業所内の配分ルールも見直される。厚労省はそのことも通知に明記した。
「経験・技能のある介護職員」の平均賃上げ額を、「その他の介護職員」の平均賃上げ額の2倍以上にすること、という現行のルールを緩和する。「2倍以上にすること」から「より高くすること」へ弾力化する。事業者の自由度を高めて加算を活用しやすくすることが目的。
厚労省はこうした変更を踏まえた来年度の計画書を、4月15日(木)までに提出するよう呼びかけている。
関連記事
新着記事