介護保険の枠組みで提供される訪問看護や訪問リハ、居宅療養管理指導など医療系の在宅サービスの費用が、介護全体の費用や要介護者数の伸びを大きく上回って増加している − 。
こう問題を提起したのは財務省だ。国の財政運営を議論する審議会の今月15日の会合で、厚生労働省に対して"適正化"を求めた。【鈴木啓純】
財務省はこの日、2014年度から2018年度の費用の変化を厚労省による統計を用いて説明。介護保険では近年、医療系の在宅サービスの伸びが著しい傾向にあり、とりわけ軽度者のパーセンテージが大きいと指摘した。適切な頻度を超えた過剰なサービスが行われているのではないか、という考えがベースにある。
こうしたサービスは原則、通院が困難な状態にある利用者などを対象にするルールとなっている(*)が、財務省は「実態としてそうなっているか把握する必要がある」と主張。厚労省に対応を促し、それを踏まえた見直しも要求した。来月にもまとめる政府への意見書(建議)に盛り込み、具体化を強く働きかけていく方針だ。
* 居宅サービスの報酬算定の基準
(例)訪問看護:通院が困難な利用者に対して、その主治医の指示、訪問看護計画書に基づき、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が指定訪問看護を行った場合に、現に要した時間ではなく、計画書に位置付けられた内容の指定訪問看護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定する。
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