障害福祉サービスの見直しの議論を進めている社会保障審議会・障害者部会が3日に開催された。厚生労働省は今後の方向性を示す中間整理の案を提示した。【鈴木啓純】
見直しの基本的な考え方としては、「障害者が希望する生活を実現する地域作り」「社会の変化に伴うニーズへのきめ細かな対応」「持続可能で質の高い障害福祉サービスの実現」の3つを柱に据えている。具体策は多岐にわたるが、居住支援や相談支援などの更なる強化を打ち出した。
障害者部会は今年3月から、当事者やその支援者、専門職、有識者らとともに検討を深めてきた。2018年4月に改正された障害者総合支援法の附則で、施行後3年をメドに現場の課題を検証して必要な改善策を講じる、と規定されていた背景がある。
厚労省は今後さらに内容を詰めていく方針。来年半ばまでに最終報告をまとめ、その後の施策の展開につなげていく計画だ。
中間整理には居住支援について、グループホームの新たなサービス類型を創設する構想を盛り込んだ。1人暮らしやパートナーとの同居などを望んでいる障害者がおり、そうした想いに応えることを目的としている。今回のまとめでは、代替策の可能性も含めて丁寧にスキームを考えていくと説明した。
相談支援の充実に向けては、地域で中核的な機能を発揮する「基幹相談支援センター」の設置を、自治体の努力義務に位置付ける案を明記。これにより拠点を全国に広げ、現行で半数以下の設置率を100%へ引き上げることを目指すとした。
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