介護職の給与を月1万円から2万円引き上げる東京都の新たな独自策の概要が分かった。【Joint編集部】
対象は都内で働く全ての介護職員とケアマネジャー。居宅介護支援も含まれる。
相対的に給与水準の低い層にリソースを重点配分することが特徴の1つ。勤続年数が5年以内の介護職員に月額2万円を、6年目以降の介護職員や全てのケアマネに月額1万円を、「居住支援特別手当」という名目で支給する。障害福祉サービスの現場を支える介護職についても、同様の仕組みを作って給与を引き上げる。
東京都は介護職の処遇改善、人材確保につなげたい考え。家賃など生活コストの高さを考慮し、来年度から独自策を実施することに決めた。勤続5年以内の介護職員を優遇するのは、仕事の魅力を高めて入職者の増加・定着に結びつける狙いがある。
今月中にもまとめる来年度の予算案に、414億円の事業費を盛り込む。国が介護職の処遇を抜本的に見直すまでの間、賃上げを継続していくとした。介護分野だけでおよそ15.4万人の介護職員、1.4万人のケアマネが独自策の対象となる。
東京都と施策の立案・調整にあたった都民ファーストの会の後藤なみ都議は、「介護職員に幅広く支給できる制度にすると同時に、ケアマネジャーを対象に含めることにこだわった。国の処遇改善策から外れて給与の逆転現象が起きた結果、ケアマネジャーの人材不足も深刻になっている。地域包括ケアシステムの要の処遇改善は必要不可欠」と説明。「政府には介護職の抜本的な処遇改善を早急に進めて頂きたい。東京都の独自策がその牽引役となれれば。ケアマネジャーも対象に含める、という考え方も当たり前のこととして広めていきたい」と述べた。
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