東京都は新年度から、ケアマネジャーの法定研修の費用負担を軽減する独自策を開始する。その概要が分かった。【Joint編集部】
各種の法定研修について、東京都の受講料の4分の3を補助する。新たな人材の確保や離職の防止などが狙い。費用負担が重い、という現場の関係者の声に新たな補助金で応える。
都議会の予算特別委員会(しめくくり総括質疑)で25日、佐藤智秀福祉局長がケアマネの法定研修に言及し、「来年度から負担軽減のため、新たに受講料の4分の3を補助する」と明言した。都民ファーストの会・東京都議団の白戸太朗都議の質問に対する答弁。
対象は居宅介護支援、介護施設、地域包括支援センターなどの都内の事業所で働くケアマネ。資格試験に合格した後の実務研修も含まれる。いわゆる“1人ケアマネ”の事業所も除外されない。
東京都の場合、例えば更新研修(88時間)の受講料は5万8300円。補助額は4分の3の4万3700円で、残りの1万4600円が自己負担となる。
東京都は補助金交付の流れについて、法定研修の受講料を負担した事業所に申請を出してもらう形を想定。交付決定後、一定の実績報告も要請する考えだ。詳細はこれから詰めていく。
このほか、東京都は新年度から、ケアマネを含む介護職の月給を1万円から2万円引き上げたり、居宅介護支援の事務職の雇用経費を補助したりする独自策も始める。都民ファーストの会・東京都議団は、法定研修の費用面以外の負担軽減にも注力すべきと働きかけている。
背景にあるのは、介護分野の人材不足が今後更に深刻化していくことへの危機感だ。現場の関係者らは概ね、こうした東京都の一連の取り組みを評価・歓迎している。
一方で、神奈川、千葉、埼玉など隣接する他県の事業者などは、待遇格差による人材流出が生じると懸念を強めている。今後、東京都と同様の施策を求める声、または国に一律の施策を求める声が大きくなりそうだ。
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