利用者さんのお宅が暑い!汗だくのヘルパーを涼しくした高齢者のやさしさ【介護漫画】

ヘルパーが利用者さんのお宅を訪問すると、夏なのにエアコンを使っておらず室温がかなり高い状態。
コミュニケーションの難しい方なので熱中症の危険性を伝えるのが困難だったのですが……。

「あの…エアコンつけませんか?」

年々厳しくなる暑さを身に染みて感じています。皆さま熱中症対策はされていますでしょうか?
訪問介護のヘルパーはうだる暑さのなかを自転車で移動するので、対策グッズが欠かせません。水筒やネッククーラー、それから信号待ちではハンディファンを活用しています。

まだまだ暑い日が続きそうです。皆さんも熱中症には十分に気を付けてくださいね。

訪問介護では「熱中症寸前なのでは……?」と心配になる利用者さんが非常に多くいます。
熱中症の対策を促しても、無口でコミュニケーションが難しい利用者さんだとこちらの発信が伝わっているのかわからない場合も。

その利用者さんは、挨拶には会釈で応じてくださるものの基本喋りません。
暑い日だったのでいつものように「エアコンをつけてくださいね」とお願いしましたが返答はありませんでした。
ですが返答がないからといってアプローチしないのはよくありません。

「室内で熱中症になることもあるんですよ」「しっかり水分も摂ってください」と声を掛けてから掃除に取り掛かることに。

しばらくして汗だくで掃除をしていると、横から涼しい風が……。利用者さんが私のために扇風機を持ってきてくれました。
返事はありませんでしたが「室内でも熱中症になることがある」と伝えたことを聞いてくれていたんです。

ちゃんと伝わったんだなと嬉しく思いましたが、しかしこれでは利用者さんが熱中症になってしまいます。
まずは「ありがとうございます」とお礼を言い、「エアコンのほうが扇風機よりもより快適ですし、熱中症対策にいいですよ」と改めてお伝えしました。
それから、リモコンのボタンの説明をして一緒にエアコンをつけることができました。

その後も暑い日にはエアコンをつける習慣ができたようで、利用者さんは真夏でも健やかに生活されています。
たとえお返事がないとわかっていても、あのときに「室内でも熱中症になる」とちゃんと伝えていてよかったと思える出来事でした。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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