暑い日が増えてきました。この時期になると話題になる熱中症問題。
節約したい、暑さを感じにくいなどの理由でエアコンをつけない高齢者も多く、救急搬送されてしまう方も少なくありません。
ある夏の日、ヘルパーは高齢者にエアコンの使用を促しますが拒否されてしまいます。どうにかエアコンを使ってもらえるよう対策を考えた結果……。
暑い日が続いています。一人暮らしの高齢者は屋内で熱中症になってしまうこともあり、実際に毎年数人は救急搬送されます。熱中症で意識障害になった訪問介護の利用者さんもいたほどです。
この季節はヘルパーみんなで、利用者さんにエアコンをつけるなどして涼しく過ごしていただくよう注意喚起しています。
ですが、こだわりの強い利用者さんはエアコンをなかなかつけてくれません。
「扇風機ひとつで十分!」「ちゃんと水分を摂っているから問題ない!」と、こちらの意見を聞いてもらえないので、ヘルパーやコーディネーターも頭を抱えてしまいます。
熱中症になる危険があったとしても、ヘルパーは利用者さんの嫌がることを独断で実行できません。
利用者さんの居住環境やご家族の意向などを汲み、さらに事業所のコーディネーターと話し合って初めて実行できます。
このケースだと“エアコンをつけ、タイマーの設定をして退出する”ことがそれにあたります。
しかしどれだけ説得しても利用者さんはエアコンをつけてくれません。つけると「電気代がもったいない!」と怒ってすぐに消してしまいます。
そこでケアマネジャーさんに相談して、ご家族と連携することが決まりました。
町外に暮らす息子さんご夫婦は共働きなので、利用者さんの家までエアコンをつけに行きたくても行けないそうです。また、利用者さんは耳が遠いので電話もうまく通じません。
そこで息子さんご夫婦に「エアコンをつけてほしい!」というメッセージを入れた動画を撮っていただきました。それを訪問介護事業所のスマホに転送してもらい、ヘルパーが利用者さんに見せるという作戦です。
動画を見てもらうときには、耳が遠い利用者さんのためにイヤホンをつけてもらいました。
結果は大成功。急な気温の上昇に疲弊していた利用者さんもエアコンのお陰で元気が出てきたと、その後もちゃんとエアコンを活用してくれるようになりました。
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