財務省は13日、国の財政を話し合う審議会(財政制度等審議会・財政制度分科会)を開いて社会保障を取り上げ、介護保険制度の見直しを提言した。【Joint編集部】
今後の急速な介護ニーズの拡大、それに伴う保険料負担の増大などを念頭に、給付費の適正化に向けた「更なる改革が不可避」と強調。多岐にわたる具体策の中に、介護老人保健施設と介護医療院の多床室の自己負担を引き上げることを盛り込んだ。
老健と介護医療院の多床室は現在、室料相当額が保険給付の対象として基本サービス費に含まれている。在宅で生活する高齢者との公平性などを踏まえ、“終の棲家”とも呼ばれる特養の室料相当額は自己負担。老健と介護医療院の多床室は、施設の機能の違いなどを勘案して異なる扱いとなっている。
厚生労働省は今年度の介護報酬改定にあたり、老健と介護医療院の多床室の室料相当額に自己負担を導入する方針を決定(2025年8月施行)。利用者の負担なども考慮し、対象施設を一部に限定して適用する判断を下した経緯がある。
財務省は審議会で、「在宅と施設の公平性を確保しつつ、どの施設でも利用者に公平な居住費を求めていく観点から、更なる見直しが必要」と主張。「残りの老健・介護医療院も、多床室の室料相当額を基本サービス費から除外すべき」と求めた。今後の制度改正・報酬改定をめぐる論点の1つになりそうだ。
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