厚生労働省は7日、担い手不足をはじめとするケアマネジメントの様々な課題を話し合う検討会を開催し、これまでの議論をまとめた「中間整理」の素案を提示した。【Joint編集部】
居宅介護支援のケアマネジャーの業務範囲に言及。法定業務に含まれない利用者・家族への支援について、「保険外で対応し得る」「他機関につなぐ」といった分類のイメージを例示した。
そのうえで、これらを地域課題と位置付けて対応していくべきと指摘。市町村が主体となり、関係者間の協議を通じて必要な社会資源を地域の実情に沿って創出するなど、支援が途切れない体制をそれぞれ検討すべきとした。
厚労省は今後、こうした地域ごとの体制づくりを市町村などに要請していく方針。地域課題をケアマネに丸投げしない、という共通の認識を全ての関係者が持つことも重要だとして、理解促進・啓発に力を入れる考えも示した。
検討会の次回の会合に「中間整理(案)」を示す。厚労省の関係者は会合後、「どのような形で要請・周知していくか、これから具体的に詰めていきたい」と話した。各地域で実効性をどう持たせるかが課題となりそうだ。
現在、ケアマネジャーの地域での活動は法定業務の範囲を超えて広がっている。利用者・家族のニーズに応える努力の結果だが、必ずしも報酬を得られない仕事の量も以前より増えた。負担を軽くして疲弊を招かない環境を整え、人材確保につなげることが大きな課題となっている。
厚労省は今回の素案で、ケアマネジャーの業務を大きく4つに分類。「保険外サービスとして対応し得る業務」の中に、郵便の発送・受け取りや救急搬送の同乗などを位置付けた。
また、部屋の片付けや財産管理、入院中の必需品の調達、徘徊時の捜索などを、「他機関につなぐべき業務」と整理した。以下の通りだ。
厚労省はこうした業務分類のイメージをもとに、必要な支援が途切れない体制を地域ごとに検討するよう市町村などに求めていく。今回の素案では、「国としても地域の議論を推進する取り組みを進める」との意向も示した。
検討会では委員から、「ケアマネジャーが相談できるワンストップの窓口を市町村に設けるべき」「利用者・家族の理解が重要」「地域ケア会議を有効に活用すべき」といった意見が出た。
また、「関わる人が増えると認知症の高齢者は混乱してしまう」「法定業務以外を、どうしてもケアマネジャーが担わなければならないケースも残る」「ケアマネジャーへの介護報酬上の評価が必要」といった声もあがった。
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