デイサービスで入浴のみ利用できる?料金の目安や利用の流れ

デイサービスで入浴のみ利用できる?料金の目安や利用の流れデイサービスで入浴のみ利用できる?料金の目安や利用の流れ

デイサービスに入浴目的で通う人は少なくありません。朝から夕方までのデイサービスでは長すぎると感じ、入浴のみで利用したいと考える人も多いでしょう。
ここでは、デイサービスで入浴のみ利用したいときの方法や料金の目安などについて解説します。

デイサービスは入浴のみで利用できる

はーとん

入浴目的でデイサービスを利用する人は多いっポ。

デイサービスでは入浴をメインとした利用も可能です。
ただし入浴のみの利用でも、安全に入浴するためのサービスを一緒に提供するのが一般的で、入浴前には体温・血圧を測定したり、水分補給のためにお茶が出たりします。

自宅での入浴が困難な方は通常のデイサービスで入浴のみのサービスを利用できるほか、入浴に特化したデイサービスもあります。

そもそもデイサービスとは、日帰りで施設に通って介護を受けるサービスです。高齢者の孤立感を解消させるなどの目的で利用されます。
サービス内容には、食事の提供、機能訓練、レクリエーションなどがあり、入浴が困難な方への入浴サービスも含まれます。

デイサービスの入浴サービスの対象者

デイサービスの対象者は要介護1~5の方で、入浴を目的にデイサービスを利用する方も利用条件は同じです。
座ったままや寝たまま入浴ができる浴槽が備わっていれば、ADL(日常生活動作)のレベルが低い方でも利用できます。

要支援の認定を受けている方は介護保険でのデイサービスは利用できません。また、重度の認知症のある方などは利用が難しい可能性もあります。

通常のサービス提供時間ではなく短縮して入浴のみ利用したいときには確認が必要です。
また、サービスを利用するためにはケアプランに盛り込みます。ケアプランには、利用者の課題解決のためにデイサービスが担う役割や利用頻度などが記載されます。

デイサービスに入浴を求める利用者は多い

入浴を目的にデイサービスを利用する方は少なくありません。

あるアンケート調査によると、利用者や家族がデイサービスに求めることの第1位が「入浴」でした(新宿区社会福祉事業団が行った居宅介護支援事業所等への調査より)。
18%がデイサービスに入浴を希望し、2位の「看護師がいる(こと)」9.5%の約2倍です。

介護が必要な方でも安心して利用できることから、デイサービスでの入浴サービスの需要が高まっています。

入浴のみの利用におすすめのデイサービス 

入浴のみの利用におすすめのデイサービス

はーとん

デイサービスに入浴を求めている人だと1日型のデイサービスは長く感じるかもしれないっポ…。

一般的な1日型のデイサービスでは、多くの施設で入浴サービスがあります。朝から夕方までデイサービスで過ごすことに問題ない方は1日型の利用が向いているでしょう。
入浴が困難な方なら、1日型でも短時間の利用が可能です。

デイサービスを短時間で利用できるケースはこちら

しかし、そもそも短時間で利用できるデイサービスもあります。入浴のみを目的にデイサービスを利用したい方であれば、入浴特化型デイサービス半日型デイサービスがおすすめです。

入浴特化型デイサービス

入浴特化型デイサービスでは入浴を目的とした利用が可能です。小規模な事業所が多く、半日型なら3時間程度の短時間で利用できます。

短時間での利用となるため、レクリエーションや食事の提供などはありません。入浴に必要なバイタルチェックや水分補給のほか、事業所によっては機能訓練など体を動かす時間を設けています。

入浴特化型デイサービスは、以下に当てはまる方におすすめです。

  • 入浴を目的にデイサービスに通いたい方
  • 自宅での入浴が困難な方
  • 集団での行動が得意ではない方
  • 訪問介護や訪問入浴に抵抗がある方

半日型デイサービス

半日型のデイサービスは、午前または午後の3~4時間程度のみ利用するデイサービスです。
入浴のほか、レクリエーションや機能訓練、おやつなどのサービスを提供しますが、利用時間が短いという特性上、提供するサービスは限られます。入浴を提供しない半日型デイサービスもあるので、事前の確認が必須となります。

半日型デイサービスは、以下に当てはまる方におすすめです。

  • 時間を有効に使いたい方
  • 近くに入浴特化型デイサービスがない方
  • 長時間のデイサービスが苦手な方

半日型デイサービスについて詳しくはこちら

デイサービスの利用料金(入浴のみ利用するとき)

はーとん

料金はいくらくらいかかるのかな。

デイサービスで入浴のみ利用するときの料金は「基本の利用料+入浴介助加算+その他」で決まります。
以下ではそれぞれの料金について詳しく解説します。

基本の利用料

基本の利用料は、要介護度とデイサービスへの滞在時間に応じて決まります。滞在費や介護サービス費が含まれ、1回の利用あたりで単位が定められています。
デイサービスの規模によっても料金は異なりますが、以下は通常規模型と地域密着型の基本料金の目安です。
なお、入浴をメインとした利用を想定しているため、利用時間は5時間未満のみとしています。

通常規模型通所介護費
  3~4時間未満 4~5時間未満
要介護1 370円 388円
要介護2 423円 444円
要介護3 479円 502円
要介護4 533円 560円
要介護5 588円 617円

※1単位10円、1割負担の場合

地域密着型通所介護費
  3~4時間未満 4~5時間未満
要介護1 416円 436円
要介護2 478円 501円
要介護3 540円 566円
要介護4 600円 629円
要介護5 663円 695円

※1単位10円、1割負担の場合

入浴介助加算

基本の利用料に加えて、要件を満たしている事業所では入浴介助加算が適用されます。
入浴介助加算は、入浴介助に適した人員や設備がある事業所で入浴サービスが提供された際にかかる料金で、介護保険が適応されます。

入浴介助加算Ⅰ 40円
入浴介助加算Ⅱ 55円

※1単位10円、1割負担の場合

その他料金

その他には日用品費や食費などがかかり、これらは介護保険が適応されず全額自己負担です。
また、入浴介助加算以外に算定された加算も、自己負担1~3割で負担する必要があります。

サービス加算
*介護保険適応
生活機能向上連携加算・認知症加算など
飲食代
*介護保険適応外
飲み物・おやつ代(100~300円程度)
日用品代
*介護保険適応外
歯ブラシ・おむつ・義歯洗浄液など必要に応じて(持ち込めば自己負担なし)

デイサービスで入浴のみ利用したときの料金目安

たとえば、要介護3の方が入浴目的でデイサービスを利用したときの料金目安は以下となります。

項目 費用目安
基本の利用料(通常規模型)
3時間以上4時間未満
479円
入浴介助加算Ⅱ 55円
飲み物代 100円
おむつ代  200円
合計 834円

デイサービスで入浴するメリット

はーとん

デイサービスで入浴するメリットについて解説するっポ。

入浴目的でデイサービスを利用するメリットは主に以下の4つです。

・衛生状態を保てる
・体調の確認をしてもらえる
・ご家族の介護負担が減る
・他の人と交流できる

衛生状態を保てる

デイサービスを利用する要介護1~5の方は、何らかの介護が必要な状態です。そのため、自宅での入浴が困難で自力での衛生管理が難しい方も少なくありません。

多くのデイサービスではリフト浴やストレッチャー浴などの入浴設備がそろい、自宅で浴槽に浸かることが困難な方でも入浴が可能です。

不衛生な状態は皮膚トラブルや疾患の原因です。デイサービスでは介護のプロが入浴介助をするため衛生状態を保ちやすくなります。
洗身や洗髪はもちろん、爪切りや皮膚の保湿など全身のケアが行われます。

体調の確認をしてもらえる

デイサービスでは利用前に体温や血圧などを測定します。自宅では体調の変化に気が付かず入浴してしまうケースもありますが、デイサービスでは体調が悪ければ入浴を見送ります。
そのときの体調に応じて足浴や清拭に変更したり、状態によっては受診を勧めてくれたりするため安心です。

また、入浴時には全身状態のチェックを行います。服の上からでは気付きにくい発赤や傷、ただれ、腫れなどの有無を確認します。

ご家族の負担が減る

入浴介助は、蒸し暑く滑りやすい環境で行わなければなりません。危険と体力的な消耗を伴い、介助をするご家族にとっては大きな負担です。
デイサービスで入浴できればご家族の介護負担が大幅に軽減できます。

他の人と交流できる

デイサービスでは、職員や他の利用者とコミュニケーションを取る時間が少なからずあります。体操や水分補給の時間のほか、大浴場があれば浴槽につかりながら他の利用者とおしゃべりも楽しめます。

他人との交流が苦手な方は無理に関わる必要はありませんが、なかには人の気配があるだけで安心できたり孤独感を解消できたりする方もいます。

デイサービスで入浴するデメリット

はーとん

デイサービスでの入浴はデメリットもあるのかな…。

デイサービスでの入浴にはたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。

・感染症の心配がある
・体調によっては入浴できない

感染症の心配がある

複数人で入浴するデイサービスでは、大勢が同じお湯に浸かりますし、マスクの着用も困難です。
デイサービスでは対策を徹底していますが、感染症にかかるリスクはゼロではありません。高齢者は感染症にかかると重症化しやすいため、体調が悪いときは利用を控えたほうが安心です。

体調によっては入浴できない

入浴前には体温や血圧の測定を行い、普段と異なる様子があれば入浴が見送られることがあります。浴槽に入れない代わりに、手浴や足浴、清拭をして清潔を保ちます。

入浴は思っている以上に身体に負担がかかる行為です。デイサービスでの入浴を楽しみにしている方にとっては残念ですが、体調がよくなれば次の機会には入浴できるでしょう。

デイサービスにはどんな入浴設備がある? 

デイサービスの入浴設備

はーとん

デイサービスにはいろんな入浴設備があるっポ。

デイサービスの入浴設備は一般的な銭湯などとは異なります。デイサービスには以下のような入浴設備がありますが、どの設備があるかは事業所によりさまざまです。

・個浴
・大浴場
・リフト浴
・ストレッチャー浴
・チェアー浴
・シャワー浴

ここでは、デイサービスの入浴設備について解説します。

個浴

個浴とは、一般的な家庭で使用されているような浴槽で一人ずつ入浴するスタイルです。

一人ひとり入浴するため、他の利用者を気にせずリラックスでき、大きな浴槽よりも溺れにくいメリットがあります。
またいだり体を支えたりと必要な動作が多く、生活機能動作の維持にもつながります。

大浴場

大浴場は、数人で入れる広い浴槽や複数の洗い場がある浴室です。大きな浴槽では手足を伸ばしてゆっくりと入浴できるため、銭湯気分が味わえます。

一方で、筋力が低下している高齢者だと、体が浮いて溺れたり浴槽内の段差で転倒したりする可能性があり危険です。
体が浮かないように対応できる方や、体を支えてくれる職員がいる環境であれば安心して入浴できます。

リフト浴

リフト浴では、リフトに座った状態で体を浴槽に入れて入浴します。浴槽をまたぐことが困難な方におすすめの入浴スタイルです。
体が浮かないようにベルトが付いているタイプもありますが、座位を保てる方の利用が適しています。

体や頭を洗うなどの動作をできるだけ本人がするようにすれば、生活機能動作の維持・向上にもつながります。

ストレッチャー浴

ストレッチャー浴は、寝た状態のまま移動できる機械に乗ってそのまま入浴する方法で、機械浴・特浴とも呼ばれています。寝たきりの方や介護度が高い方の入浴が可能です。

チェアー浴

チェアー浴は、入浴用の車椅子に座ってそのまま入浴する方法で、座浴・機械浴とも呼ばれています。リフトを使って浴槽の側面から出入りします。
浴槽に入るときに抱きかかえるなどの身体介助が発生しないため、利用者も職員も負担が少ないのがメリットです。

シャワー浴

シャワー浴は、浴槽に入らずシャワーを浴びて体の清潔を保つ方法です。お湯につかると負担になる方などがシャワー浴をします。
シャワー浴は浴槽につからないので温まりにくいですが、肩や下半身をタオルで覆ってお湯をかけたり足浴したりすると、体を温められます。

デイサービスで入浴を利用する流れ

はーとん

デイサービスを利用するまでと入浴時の流れを解説するっポ。

デイサービスで入浴サービスを利用したい場合は、まずは要介護認定を受けなければなりません。
ここでは、以下の2つの流れを解説します。

・要介護認定~デイサービスに通うまで
・デイサービスでの入浴準備~入浴後のケアまで

要介護認定~デイサービスに通うまで

デイサービスは要介護1~5の方が対象のため、まずは要介護認定を受ける必要があります。
デイサービスを利用するまでの大まかな流れは以下です。

1.介護保険を申請して要介護認定を受ける
2.担当のケアマネジャーに相談する
3.デイサービスの紹介を受ける
4.サービスの利用に合意する
5.デイサービスに通う

要介護の認定を受けて担当のケアマネジャーが決まったら、利用したいサービスについて相談します。ケアマネジャーが本人のニーズに合ったサービスを紹介するのが一般的ですが、ご本人やご家族が自分で探しても問題ありません。
利用したいデイサービスが決まったら、契約をして利用をスタートします。

要介護認定の流れについて詳しくはこちら

デイサービスでの入浴準備~入浴後のケアまで

デイサービスでの入浴に関する流れはデイサービスによって異なりますが、一般的には以下のような流れになります。

1.バイタルチェックを行う
2.水分を摂取する
3.脱衣所で服を脱ぐ
4.体や頭を洗ってから浴槽に入る
5.保湿や爪切り・耳掃除などのケアをする
6.服を着る
7.水分を摂取する

入浴前には体温や血圧を測ります。体調が悪いと判断されたときには、入浴を見送ったり部分浴や体を拭いたりします。

また、入浴前後には脱水予防のために水分補給をします。入浴後は保湿や爪切りなどのケアや、必要に応じて看護師が傷の処置などを行います。

要支援者はデイサービスで入浴できない?

はーとん

要支援の人はデイサービスを利用できないのかな…。

デイサービスが使えずどう入浴しようか悩んでいる要支援1・2の方は少なくありません。
ここでは、要支援者はデイサービスで入浴できるのか、また似ているサービスも紹介します。

要支援者は原則としてデイサービスを利用できない

デイサービスを利用できるのは要介護1~5の方です。しかし要支援の方も諦める必要はありません。介護予防・日常生活支援総合事業の対象であれば利用可能です。
要支援に認定されたら地域包括支援センターに相談してみましょう。

介護予防訪問入浴介護の利用ができる

要支援の方が利用できるデイサービスが近隣にない方などは、介護予防訪問入浴介護の利用がおすすめです。

介護予防訪問入浴介護は、要支援の方を対象とした入浴支援の介護予防サービスです。利用者の自宅に簡易浴槽を積んだ訪問入浴車で訪問します。

訪問入浴について詳しくはこちら

デイサービスなら安心して入浴できる

デイサービスでは入浴を主な目的とした利用ができます。銭湯のように気軽な利用はできないものの、入浴に特化したデイサービスもあります。

デイサービスでは職員が入浴介助をするので安全な入浴が可能です。またデイサービスでの入浴は、高齢者の清潔を保ち、健康状態を確認できるメリットがあります。
大浴場なら他の利用者とのコミュニケーションを楽しみながら湯船につかることもできます。

寝たきりの方や身体能力が衰えた方などが利用できる入浴設備を備えたデイサービスもあるので、ケアマネジャーにご本人の状態に合った事業所を紹介してもらうとよいでしょう。

<参考資料>
厚生労働省「介護報酬の算定構造」

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著者:ハートページナビ編集部

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