母親がリハビリ病院に転院し、倒れてから初めて穏やかな顔を見せるなど、少しですがよい兆しが見えていました。
しかし、転院から3カ月ほど経ったある日……。
母がリハビリ病院に転院し、回復するかどうかの基準は3カ月程度だと聞いていました。
当時はコロナで面会できず、母がリハビリをしている様子は見られませんでしたが、言語聴覚士(ST)・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)など専門家の方たちには、チームを組んでリハビリしていただいていました。
3カ月の間で母に少しでも記憶と気力が戻ることを願っていましたが……伝えられたのは残念なお知らせでした。
リハビリ病棟から一般病棟へ移動する。それは今後、「母の病状が改善する可能性はなくなった」と宣告されたのと同じです。
3カ月という短い期間で劇的に改善するとは思っていませんでしたが、何か1つでもよくなるのでは?と、淡い希望を持ち続けていました。
半身不随とはいえ、いずれは車椅子で生活できるまで回復する。そんな希望を捨てたくはありませんでしたが、この告知には心が折れそうになりました。
高次脳機能障害の母はそんな状況を理解できないため、面会に行ったときには、すやすやと気持ちよさそうに寝ていました。
その寝顔を見たときに、もしかしたら自分の状況が分からないほうが幸せなのかも……と、なんとか気持ちを切り替えるしかありませんでした。
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