10月は暑くも寒くもなくて過ごしやすい月だから、高齢者に無理なくいろんなレクリエーションが楽しめるっポ!
残暑の暑さが和ぐ10月。秋を感じさせる日が多くなり、運動に最適な季節です。
夏の間は外出を控える高齢者施設やデイサービスも多く、10月は外出レクや体を動かすレクリエーションの再開にぴったりな時期となります。
秋といえば、スポーツの秋や食欲の秋、読書の秋などがあり、高齢者施設やデイサービスでもそれに合わせていろいろな行事やレクリエーションが行われます。
なかでも第2月曜日は「スポーツの日」があり、スポーツの秋を連想させます。そのため10月は体を動かすレクが多く、運動会をするデイサービスも少なくありません。
施設で開催する運動会では、個人戦で楽しめるのはもちろん、曜日ごとのチーム戦で競争するのも盛り上がります。また、集団でできる競技を取り入れると全員が参加できるのでおすすめです。玉入れのような競技なら、さまざまな身体状況の方が参加できてよいでしょう。
スポーツの日は2000年に「体育の日」が変わったもので、比較的新しい名称です。そのため、体育の日のほうが高齢者にとっては馴染みがあるでしょう。
ちなみにですが、2021年は祝日が7月23日に移動しているため10月の連休はありません。
10月でもうひとつ有名なイベントといえばハロウィンです。
高齢者にはあまり馴染みがないかもしれませんが、最近ではハロウィンの仮装パーティーをする高齢者施設もあります。
ハロウィンの基礎知識をクイズにするなどして理解を深めると、よりイベントが盛り上がるでしょう。
新しいイベントは、高齢者に時代の変化を感じてもらう良い機会になるかもしれません。
ハロウィンレクには、最近飾る人が増えてきたハロウィンツリー作りもおすすめです。デイサービスや介護施設でも取り入れてみてはどうでしょうか。
ハロウィンツリーはクリスマスツリーで使用する木の土台を利用して作ります。飾り付けは、オレンジや紫、黒を基調にするとハロウィンらしさが出るでしょう。
かぼちゃ、おばけ、コウモリ、キャンディなどの飾りは手作り工作できるので、レクリーションに最適です。厚紙をそれぞれのシルエットに切り抜いたり、紙粘土で形を作って絵の具で色付けしたり。
手作り制作したいろいろなハロウィン飾りで、簡単にオリジナルのハロウィンツリーが作れます。
ツリーのうしろ部分を黒のマントで覆うと、華やかさは軽減するもののハロウィンらしさが増しますよ。
ハロウィンツリーを楽しんだあとは、クリスマスの飾り付けに移行できます。長い間インテリアとして楽しめて、季節感を感じることもできるでしょう。
10月は、地域で文化祭などの行事が開催されることがあります。そういった文化祭などのイベントに、ご利用者の制作物を出品してみるのもひとつのアイデアです。
制作物は普段のレクリエーションでよく作成していると思いますが、出来上がった作品を施設に飾っておくだけというデイサービスも多いのではないでしょうか。作った作品を自分たちしか見ないのは何となくさみしいものです。
イベントで作品を展示できるように、10月は普段の月より手の込んだものや大がかりな壁画などにチャレンジしてみるとよいでしょう。
10月は、紅葉やコスモス、柿やぶどうなど制作物の題材にしやすいものが多くあるので、題材には困りません。
実際に、あるデイサービスが地域の文化祭に作品を出品した事例をひとつご紹介します。
その文化祭は、高齢者施設や居宅サービスが事業所ごとにブースを設置し、それぞれが作品を展示するスタイルです。
この文化祭は毎年恒例の行事で、利用者は文化祭に作品を展示するだけでなく、外出レクの一環として当日は多くの高齢者が訪れます。
前年の文化祭に参加されたアキオさん(仮名)もそのひとりでした。
デイサービスを利用するアキオさんは、自分たちが作った作品の展示を楽しみに見に行ったのですが、他の施設の作品がとても立派で、自分たちの作品は小さく見劣りすると感じたそうです。
アキオさんの通うデイサービスでは、毎月の制作レクとして壁画を作成していました。
スタッフが下絵を描いた模造紙にちぎり絵や折り紙を貼って、ご利用者全員が協力してひとつの作品に仕上げるものです。
文化祭にはその壁画を展示していました。
しかし他のデイサービスや介護施設の作品は1点だけでなく、個人が作成した書道などの作品がブースいっぱいに展示されており、作品の前で足を止めてひとつずつ見ていくお客さんも多かったそうです。
それを見たアキオさんは、来年はもっと一人ひとりの得意を活かした作品を展示することで、デイのレクリエーションも盛り上がるのではないかと思ったようです。
そして翌年、その年も文化祭への出品があると聞いたアキオさんは、スタッフに前回感じたことを話してみました。
今年はいつもの壁画ではなくもう少し手の込んだ作品にしたいことや、個人の作品も出品してはどうかといった内容です。
それを聞いたスタッフは、秋祭りをテーマとした3つの制作物を提案。少し手の込んだ壁画制作に加えて、ダンボールで作るお神輿、提灯の飾り物です。
また、テーマに沿った書道や絵葉書など、個人の作品を展示することも決まりました。
文化祭への出展の方針が決まると、アキオさんは自ら作品を募集するためのポスターを作り、デイサービスのみんなにも「せっかくだから良いものを作りましょう」「個人でも何か作りませんか」など、一生懸命声をかけていました。
多くの人に見てもらうための作品作りは、利用者みんなのモチベーションにつながるのではないかとの思いからです。
アキオさんの熱意が伝わったのか、ご利用者それぞれがお好きな書道や工作に取り組みはじめました。
その結果、その年の文化祭の展示ブースは、テーマの秋祭りにちなんだ作品が所狭しと並び、多くの見学者が足を止めたのです。
前年とは違った満足のいく作品の仕上がりに、デイサービスのみんなが喜び合うことができました。
10月は気候も良く、レクリエーションの種類を選ばずに楽しめる時期です。暑い時期は熱中症の予防などから外出を控えていた分、しっかりと体を動かす機会を積極的に取り入れるとよいでしょう。
また、芸術の秋、食欲の秋にちなんだレクなど、ぜひたくさんのことにチャレンジしていきましょう。
著者:寺岡 純子
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