特養の経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会は15日、介護報酬の加算の算定状況に関する独自の調査結果を公表した。【北村俊輔】
今年度に創設された「科学的介護推進体制加算」について、7月サービス提供分で特養の49.5%、通所介護の41.1%が算定したと報告している。全国老施協の担当者は、「新たな取り組みに積極的な施設が回答している可能性もある」と話した。
この調査は先月、老施協の会員を対象としてWebで実施されたもの。特養の2252施設、通所介護の1564事業所から有効な回答を得ている。
科学的介護推進体制加算は、今年度から本格的な運用が始まった「LIFE(科学的介護情報システム)」の活用を促すインセンティブとして、4月の介護報酬改定で各サービスに導入されたもの。調査ではLIFEの登録状況も尋ねており、特養の81.2%、通所介護の68.8%が「登録した」と答えている。
全国老施協の小泉立志副会長はこうした調査結果を踏まえ、「LIFEを導入しなければ収入増は見込めないのが現実。多くの事業者がそうした点を十分心得て、導入へ積極的な姿勢を示している」との認識を示した。
そのうえで、LIFEの有効性への疑問や職員の負担の増大など様々な相談が寄せられていると説明。「スタートからしばらくは有用なフィードバックも見込めないので、当面は現場の負担感に比してメリットは得られにくい。そのことに対する不満、不安は当然あると思う」と指摘した。あわせて以下のように語っている。
「一朝一夕に成果が得られるものではない。最初のうちはデータ集積に重点が置かれるが、有効なビッグデータを構築することで、科学的根拠に基づいた最適な介護を効率よく提供できるようになると期待されている。真の科学的介護を実現するためにも、介護業界が一丸となって取り組まなければならない」
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