クリスマスイブの日、ヘルパーは認知症の利用者さんと買い物に出掛けました。利用者さんはクリスマスならではの買い物をしようとしますが……。
一昔前までは「クリスマスって何?」と不思議がる訪問介護の利用者さんも多かったのですが、最近では高齢者にもクリスマスが浸透している印象です。
イルミネーションでライトアップされた街を楽しんだり、クリスマスセールで買い込みをしたりと、みなさんクリスマスを満喫しています。
12月24日のクリスマスイブに、認知症の利用者さんとの買い物同行が入ったことがありました。
同居の娘さんは仕事が忙しく、利用者さんはデイサービス以外の時間をほとんど1人で過ごしています。
そのため、社会とのつながりを保つ意味でも、ヘルパーと一緒に買い物のメモを作り、それから一緒に買い物をするというサービスを行っています。
いつも買い物メモを片手に近所の小さな商店街を散策するのですが、その日はなんだか人が多いことに利用者さんが気づきました。商店街でクリスマスセールや福引をやっていて、いつもより混んでいたのです。
ポスターを指さしてクリスマスだから混雑していることを伝えると、「そうなんだ!」と嬉しそう。
チキンを売っているお店があったので、行ってみると少し遅かったようで売り切れ。「クリスマスケーキはあるんじゃない?」と、ケーキ屋さんに寄るも今度は予約販売のみ。
がっかりしていつものスーパーに行くと、スイーツ売り場から利用者さんが嬉しそうに私を呼びます。
「これ!1つだけ残ってるから買いましょう!」と、指さしたのは小さなクリスマスケーキ。ショートケーキの上にチョコのサンタが乗っていました。
レジに並んでいる間、「昔は孫にクリスマスケーキを焼いたりしたのよ」などとクリスマスの思い出話もしてくれました。
しかし帰り道、だんだん暗くなりイルミネーションが灯り出す頃、利用者さんは「ところで今日は何の日だっけ?」と不思議そう。
仕事から帰ってきていた娘さんが「お母さん、今日は何の日だった?」と微笑みながら聞くと、「それがさっきまで覚えてたんだけどね」と笑っていらっしゃいました。
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