「デイサービスのレクリエーションがつまらない」っていう男性の高齢者が意外にいるんだって。相談者ごろうさんの父親もそうみたいだっポ。
「つまらないから行きたくない」って言われちゃったら家族は大変だし、どうせ行くなら楽しんでほしいよね。
<ごろうさん(仮名)46歳>
76歳になる父親が「デイサービスはつまらない」と言うので困っています。
デイサービスのレクリエーションが楽しくないらしく、参加したくないとのことです。仕事ばかりで趣味があまりなかった人なので、レクリエーションに馴染めないのかもしれません。
レクリエーションに参加する気になって楽しくデイサービスに行ってもらうには、どうしたらよいでしょうか。
いろいろな人と会ったり行事に参加したりして、父にはいつまでも元気でいて欲しいです。
楽しくデイサービスに通ってほしいっポ!男性ならではの楽しみ方ってあるのかな?
デイサービスでのレクリエーションのメニューは、運動、または折り紙や手芸などの作業療法が一般的です。
運動レクは、ストレッチが中心のこともあれば、機能訓練士の作った運動メニューを取り入れていることも。なかには自宅でも自主トレーニングができるようにと運動メニューを組めるデイサービスもあります。
また、リハビリを行うデイサービスでは、平行棒や階段昇降、荷重をかける高齢者リハビリマシン等を設置。
リハビリマシンには、船を漕ぐような動作や、バーベルを持ち上げるような動作、自転車に乗るような動作など、さまざまな動きができるものがあります。
高齢者向けのリハビリマシンは、荷重をかけるときのオモリひとつひとつが軽めになっていて、重さを足したり引いたり、微妙な重さを荷重できるようになっているのも特徴です。
どこのデイサービスにも、運動したい方、したくない方とそれぞれいらっしゃいますが、男性の利用者は身体を動かすことに積極的な方が多い傾向にあります。
一方で、作業療法的なレクリエーションとなると、女性向けのものが多いのは確かです。
季節ごとの壁の飾りを作ったり、手芸に近い作業が多かったりするためか、高齢の男性は女性と同じレクリエーションには興味が湧かないことが多々あります。
運動系以外にも、男性が好みそうなレクリエーションはいくつかあります。
男性向けのレクリエーションとして、自動麻雀機を置いたり、パチンコ台を数台設置したりするデイサービスも増えています。
なかには、脳トレとサイクルマシンが一体になったものを置くデイサービスもあります。認知症進行予防をプログラム化したハイレベルのマシンで、脳を使いながら身体を動かすことができ、施設では人気の様子です。
男性高齢者の「生きがい作り」ができる将棋や囲碁サークルなどを作っているデイサービスもあるので、興味がある分野のサークルがあるか探してみるのもよいでしょう。
また作業療法として、習字や野菜作りができるデイサービスもあります。「デイサービスはつまらない」という男性利用者にも、これらのレクなら楽しみを感じてもらいやすいかもしれません。
野菜作りは難しいようですが、春から夏は胡瓜や茄子、秋に向けてはサツマイモなど、土づくりにあまり手をかけなくても育てられる実のなる野菜があります。
収穫後には、調理してもらったり持ち帰ったりする楽しみもあるでしょう。
園芸のようなレクリエーションであれば計画に組み込んでもらえる場合もあるので、ご家族から生活相談員に希望を伝えてみるのも方法です。
これまでしたことがないレクリエーションを勧められるままにしてみると、意外な趣味が見つかり夢中になってしまうことも実はあります。
例えば、デイサービスに通う90代後半の男性は、何気なくやった寺社やお城の塗り絵がとても気に入ったようでした。
その男性はそれまでずっと白内障手術を断っていましたが、「より精巧な塗り絵をするためなら手術したい」と、自ら眼科に行って手術を受けました。
その後のデイサービスのレクリエーションでは、色薄めのサングラスをかけてお城の塗り絵に没頭する姿が印象的でした。
男女共に人気のあるレクリエーションがカラオケです。カラオケルームのあるデイサービスも増えています。
歌で高得点が出たとか出なかったとか、高齢者の競争心を掻き立てるようなのです。
入浴好きな高齢者にとっては、お風呂もデイサービスに通うきっかけになります。
もしもカラオケの前にお風呂が楽しめれば、お風呂上がりのカラオケに利用者本人も満足感が得られやすいですし、積極的に入浴してもらえれば清潔を保てるといったメリットもあるでしょう。
例えば以前、あちこちのデイサービスを見学しても「暇で居られない」と勝手に自宅に帰ってしまうような男性がいました。
その男性から「大きなお風呂がお好き」と聞き、岩風呂があるデイサービスをお勧めしてみました。しかも日替わりの入浴剤付きです。
入浴剤を入れたお風呂には「高原の風」といった風流な謳い文句がついていたこともあり、一味ちがった感覚もあったのでしょう。
非常に自由気ままな方でしたが、そのデイサービスの岩風呂に惹かれて休まず通われるようになりました。入浴後には毎回カラオケで十八番の歌を気持ちよさそうに披露されていたそうです。
昭和の頃、いまの高齢者の方々は銭湯に通い、そこは社交場でもあったと聞きます。デイサービスを楽しんでもらうきっかけを、お風呂にするのもよいかもしれません。
カラオケの点数を競うことに熱が入ってしまうように、高齢者の方々は競争がとても好きです。
普段は会話が少ない消極的な方でも、デイサービスの運動会などにはいきいきと参加されることがあります。
運動会で盛り上がるのは、紅組白組のグループで競争するタイプの競技。
レクリエーションに参加するのを毎回渋っている方でも、競技となれば別のようです。競技によるスリルや興奮は、高齢者のなかに眠っていた何かを呼び起こすのかもしれません。
実は、高齢者にはスポーツ観戦も人気です。相撲、甲子園での高校野球、それに地元にJリーグのチームがある場合など、スポーツに心を奪われる高齢者は多いようです。
デイサービスに慣れてしまった高齢男性から「つまらない」という感想が続くようなら、こういった競争タイプのレクリエーションを取り入れてもらうのもよいかもしれません。
「レクリエーションがつまらない」「楽しくない」という男性でも、探してみれば興味を持ってくれるテーマが見つかるはずです。生活相談員と相談して、いろいろなレクリエーション試してみるのがよいのではないでしょうか。
そのポイントとして以下の3つをまとめとして挙げておきます。
ぜひデイサービスのレクリエーションに楽しみを見つけて、満足感を味わっていただきたいです。
ただし、男性のなかにはタバコや飲酒を好む方も多く、喫煙所が必要だったり、ノンアルコールの飲物を出すデイサービスでないと、継続して通えない方もいます。
そういった場合は、デイサービスの対応を確認しておく必要があるでしょう。
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