「デイサービスなんて行きたくない」という高齢者は少なくありません。とくに無口で頑固な方だと、ご家族は「利用は無理じゃないか」「他の入居者やスタッフに迷惑をかけるのでは」などと心配でしょう。
でも、そんな方でも案外大丈夫かもしれません。「拒否が強いある男性利用者がデイサービスに馴染むまで」を、元デイサービス職員が漫画とコラムでお伝えします!
在宅介護をなさっているご家族のみなさん。だんだんと身体機能が低下してくるおじいちゃん・おばあちゃんに対し、不安や辛さを覚えてはいませんか?
定期的にあるケアマネジャーとの電話や面会。その相談の中で、「デイサービスを利用してみたらどうですか?」と提案されたことがあるはずです。
もうご存知かもしれませんが、デイサービスとは決まった曜日に高齢者の皆さまをお預かりする施設。
デイサービスはリハビリや機能訓練があるだけでなく、食事や着替え、排泄や入浴まで全部引き受けてくれる便利な施設です。自宅の前まで送迎にも来てくれます。
しかしデイサービスを利用するにあたって、ご家族の皆さまが心配されることがあります。
「うちのおじいちゃん(おばあちゃん)、皆さんと仲良くできますでしょうか……」
私がデイサービスで相談員をやっていたとき、よくご家族がこぼされていたセリフです。
ご家族が利用してほしいと考える親御さん世代は、介護認定がおりている昭和1ケタ台生まれの方ばかり。とくに男性は昔かたぎで無口で頑固な方がたくさんいます。家族には言葉がきつかったり、「ありがとう」の一言も言わないなんて当たり前。
だから、ケアマネにデイサービス利用を勧められると、ご家族はご本人がデイサービスで怒鳴ったりしないか、迷惑をかけないかと心配されます。
でも大丈夫。デイサービスに通っている方々の個性は実に多彩で、頑固で無口な方ばかりではなく、とにかくおしゃべりでにぎやかな方もいらっしゃいます。そんな利用者さんのいい聞き役になるのが、無口であまり話さない利用者さんです。
聞き役に徹してくれるので、自分の話したいことがた~くさんある方にとっては欠かせない存在。デイサービスは曜日が一緒なら毎週会うから、徐々に友情も生まれます。
そんな生活の中で、ご本人は家以外にもコミュニティを見つけ、もうひとつの居場所ができたことにご家族もホッとされます。
老々介護で旦那さん・奥さんのトイレのお世話や入浴介助で疲れきっている方にとっても、きっとデイサービスは生活に欠かせない施設となるはずです。
家族には頑固な自分をみせる困った方も、デイサービスでは役割を持ってすんなりコミュニティを築くこともあります。デイサービスは高齢者の社会性を広げる場所でもあるんです。
漫画・コラム:藤木 なみき
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