「お義母さん派手すぎない!?」認知症の高齢者はおしゃれをしちゃダメ?【介護漫画】

派手なファッションを楽しむ八幡さんは、認知症を持つ高齢女性です。周囲の目を引く姿でデイサービスへと通う八幡さんに家族は気が気ではないのですが…。
漫画とコラムでお伝えします!

“おしゃれ高齢女性”はデイサービスの華?

デイサービスにはさまざまな利用者さんが来所されますが、とくに女性利用者の皆さんはとても元気。互いの服装や髪型を褒め合ったりしています。
誰かがパーマと白髪染めをしてきたら、その隣の方が「キレイにしてきたわね」「どこの美容院?」などと声を掛け、まるで10代の女の子のようです。

中でも八幡さんは女性利用者の皆さんの憧れの的。いつも女性らしい服で身を包み、ズボンをはいている姿は見たことがないほど。元は社交ダンスの先生を長年なさっていたそうで、認知症になった後も背筋の伸びたきちんとした立ち振る舞いで、周囲をうっとりさせてくれます。

ですが一緒に暮らしている八幡さんの娘さんは、気が気じゃないそうです。デイサービスの送迎の際、娘さんは「お母さん、昔はもっとTPOをわきまえてくれてたんですよ」「最近やたら派手な服を引っ張り出してきて…恥ずかしいったらないです」など、家族にとっては八幡さんの服装は恥ずかしいようでした。

確かに八幡さんの服は、女性らしいだけでなく非常に華やかです。社交ダンスの衣装とのつながりか、胸元にキラキラのスパンコールやラメが入っていたり、袖がシースルーだったり。
家族の方が「恥ずかしい」と言いたくなる気持ちも分からないでもありません。認知症ですから、家族の方々は目に見えて八幡さんに変化があると不安にもなります。

ですが八幡さんが常に行っている「着飾る」行為の裏には、『不格好では周囲に嫌な印象を与える』といった周りへの気遣いがあります。
着飾る過程には、色の判断や全体のバランスをよく見るといった認知能力を高める効果もあり、非常に重要な行動といえます。

服だけでなくメイク・ヘアスタイル・アクセサリー・バッグ・靴など、高齢者がこだわっていることは、否定せず好きにしてもらったほうがいいんです。周囲が明るくなるだけでなく、お年寄り自身の老化防止にもなりますよ。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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