いま日本でブームとなっているアニメ『鬼滅の刃』。映画もはじまり各企業もコラボ商品を展開するなど、その人気は衰えを知りません。
これだけ世間の話題を集めていると、「自分には関係ない」と思う高齢者であっても無関係ではいられないようです。訪問介護の利用者に及ぼした鬼滅の刃の影響とは?
アニメ『鬼滅の刃』。10月に映画が公開されて以降、より一層人気が高まっていますね。鬼滅の刃は大人から子供まで人気があり、その波紋は高齢者にも広がっているみたいです。
私が生活援助で買い物や掃除を行っている利用者の江角さんは、15時になるとソワソワしはじめます。なぜかというと隣に住んでいる息子夫婦の子供、つまりお孫さんが帰宅するため。
息子さん夫婦は共働きで帰りが遅く、お孫さんは江角さん宅に帰宅します。息子さん夫婦の家とは隣同士なので、お孫さんにとってはもうほとんど江角さん宅が自分の家のようになっている様子。
「おばあちゃんおやつ!」「おばあちゃん宿題わからない!」と甘えるお孫さん。そしてそれを決して否定せず優しく聞いてあげる江角さん。とても仲のいいお2人です。
しかし江角さんは最近大変そう。訪問すると腰をトントンとたたきながらしんどそうにしていることも。様子がいつもと違うので傾聴すると、どうも人気の鬼滅の刃が関係しているようでした。
小学生にも大人気の鬼滅の刃。お孫さんも、もれなくその人気に乗っかっているようで、グッズや漫画を両親に買ってもらったり、友達とアニメのかっこいいシーンをマネしてごっご遊びをしたり。
友達が塾でいないと、どうやらそのごっこ遊びの相手を江角さんにさせるんだとか。
江角さんは困ったような、どうしたらよいやらわからないといった感じでしたが、「とにかく孫がかわいいから好きにさせたい」「もしかしたら自分にとってもいい運動になっているかも」と前向きに考えているようでした。
たまに家の植木鉢や美術品を破壊されてしまうらしく、そのときはしっかり叱るんだとか。「息子が小さいときにも同じようなことをした」「ちょっと昔を思い出して可笑しくなる」とほほ笑んでもおられました。
漫画・コラム:藤木 なみき
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