俳句や川柳が趣味という訪問介護の利用者さん。
サービス中に披露してくれる一句にヘルパーほのぼのです。
老後はとことん自分の趣味を楽しみたいと思っている方って多いのではないでしょうか?
私は今まで、施設・在宅のどちらでも介護職としての経験があり、多くの高齢者と関わらせていただきました。
その中でも、自分の趣味を大切にしている方はとても気持ちがお若く、イキイキしていると感じます。
同年代の方と比較しても、表情が豊かで年齢も若く見えるんですよね。
室内でできる趣味なら、手芸、書道、絵画、読書、映画鑑賞。屋外なら、ウォーキング、農作業、ガーデニング、水泳などなど。
趣味のない方と比べて少し忙しそうではあるのですが、その分毎日が充実しているように見受けられます。
訪問介護で私の担当する利用者さんは89歳。奥さまに先立たれてからは一軒家に一人暮らしです。
半ば安否確認のためだけにヘルパーが掃除に入っていると言えるほどお元気で、足腰もしっかりしています。
その方の趣味は俳句や川柳を作ること。部屋には詩集や俳句集の本がずらりと並び、居間の掛け軸には名のある歌人の有名な俳句が掲げられています。
若いころから俳句や川柳の会に参加するのが趣味で、引退したあともさまざまな賞を受賞されるほどです。
私が掃除をしている間も、紙とペンを持ってうろうろ。「だれかそばにいるときの方が、頭がよく回るんだ」とウキウキしながら歩かれます。
いつもは公園やショッピングセンターで人の気配を感じながらアイデアを生んでいたそうですが、今はコロナで行動範囲を制限されているので、良い俳句や川柳がなかなか思い浮かばないんだとか。
たまにサービス中に一句詠んでくださるので、私はとても得したような気分になります。
その利用者さんは帰り際にいつも「ありがとう」と笑顔で言ってくださいます。
趣味を持つことは、生活そのものだけでなく、心も豊かにしてくれるのかもしれませんね。
漫画・コラム:藤木 なみき
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