いつもは静かな精神科病院の夜勤。でも事件は突然やってくるもの。
深夜には昼間ではありえないことが起きたりするんです。
介護職がぐったりしてしまった深夜の出来事とは……?
精神科では規則正しい生活も療養の一環なので、ほとんどの患者さんが就寝前に安定剤や睡眠導入剤を処方されています。なので夜勤帯は日勤と比べて基本的に静か。
でも、患者さんは調子が悪いと薬が効かずに夜眠れないようで……。
夜勤は看護師と介護スタッフの2人体勢。だいたい1時間おきに巡視に回るのですが、たまに事件が起こります
夜中によくあるのが、警察や消防に電話してしまう患者さん。
「職員にいじめられている」「家が火事になっている」といった妄想からの行動かと思いきや、実際多いのは「番号を覚えているから」や「誰かと話したかったから」といった理由。
日中は車椅子や歩行器を使用している患者さんが、夜になると元気になるのか、ふらふらしながらも自分の足で歩いていることもよくあります。
もともと歩行が不自由なうえに睡眠剤が入っているのでフラツキもあり、ひやりとすることもしばしば。
寝たきりの患者さんが骨折していることもあります。寝たきりなのに?と思うかもしれませんが、年齢と薬のせいで骨がもろくなり、寝返りだけでも折れてしまうみたいなんです。
珍しいようで実はときどきあるので、夜間の巡回で体位変換をするときは、骨が折れてしまわないかと緊張してしまいます。
実際は精神薬のせいで痛みをあまり感じないらしく、腫れや熱感、外転・内転(足の向きがおかしい)などで気付きます。
なにか起これば、当直の医師を呼んだり応急処置をしたり、それでも対処できなければ救急車を呼んだり……介護スタッフと看護師の2人しかいない夜勤では、事件が起こるたびにバタバタです。
静かな夜勤でも体にはだいぶ負担がかかりますが、なにかあった日はもうヘトヘトです。
夜勤明けの外に出た瞬間のすがすがしさ! そのときは、その瞬間のためだけに働いているような気分になってしまいます。
漫画・コラム:きやゆか
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