災害はいつやってくるかわからず、精神科病院でも職員の訓練や備えが欠かせません。
やってきて欲しくはないものですが、もし災害が起きたら……?
精神科病院の患者さんはどう避難するのか、病院勤務の介護士が教えます。
ここ数年、大規模な災害のニュースをよく耳にします。
被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。
患者さまの命をお預かりする病院には十分な備えが求められますが、私の勤務する病院でも、東日本大震災の頃から職員への周知や訓練がさらに強化されたように感じます。
今のところ大きな災害もなく、訓練の成果を発揮する機会がないのが幸いです。
食料・飲料水の備蓄は2週間分。これは患者さまの分だけなので、職員(特に看護長、主任)は自分で備えています。
備蓄品は賞味期限が近くなると入れ替えます。そのときは職員に乾パンなどが配られることも。そのまま自分たち用の備蓄に回したりもします。
病院はもちろん耐震構造で非常電源もあるので、よほど大きな地震がなければ安心です。
精神科の患者さんを外に連れて行くのは危険を伴います。近くには大きな国道も通っているので、一概に“建物や敷地の外に避難すれば安全”ともいえません。
ですが院内に留まるのが危険な状況になれば、話は別です。
そうなったら患者さんに避難を促さなければなりませんが、精神科では声掛けの工夫なども必要になります。
「災害が起きたから避難しましょう」と言っても全員にはなかなか理解してもえないので、「お出かけしましょう」などと伝えます。
なかには、車椅子や寝たきりの患者さまもいらっしゃるので、避難もそう簡単にはいかないでしょう。
日中ならともかく、夜間だったらと考えるとゾッとします。
もし災害が起きたら、男性や若い職員は動けない患者さまを運び、年配の職員は患者さまの誘導して……もしもの場合を想定して頭の中でシミュレーション。
でもそうすると、どう考えても中堅の私は重い荷物を運ぶ役目しかなさそうです(笑)。
火事場のなんとやらで乗り切るしかないでしょうが、災害はないに越したことはありませんね。
漫画・コラム:きやゆか
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