季節の変わり目に定期的にやってくる“衣替え”。
自分でやるのも一苦労ですが、精神科病院では介護士が患者さんの衣替えに手こずることもあるようです。
病院は空調が効いているとはいえ、夏は暑く冬は床から冷えてきます。なので、やっぱり衣替えが必要。
そして、精神科病院での衣替えはちょっと大変です。
患者さんの衣替えは「自分でできる人」「手伝えばできる人」「自分ではできない人」、おおむねこの3パターンに分かれます。
「自分でできる人」は、もちろん季節に合った服をご自分で選んでくれますし、ロッカーや私物の管理もばっちり。
「手伝えばできる人」には、声を掛ければちゃんとできる人と、一緒にやらないと不安な人がいますが、しっかり協力してくれるので安心できます。
もっとも大変なのは、「自分ではできない人」。
こだわりがない方ならいいのですが、やはり多くの女性には“お気に入りの一着”が必ずあるんです。
“お気に入りの一着”も、オールシーズン着られる服なら問題ありません。
ですが、自分では衣替えができないトモヨさん(仮名)のお気に入りは、盛夏に着るような薄手のノースリーブワンピース。
トモヨさんはかわいいものが好きで、特にフリルのついたそのワンピがお気に入り。ロッカーに入れておくと毎日のように着てしまいます。しかも昼夜を問わず……。
真冬にそのワンピ一枚で寝ていて熱を出したこともあるので、冬場は衣装ケースの奥にしまいたいところ。ですがご本人に許可していただけずに困ってしまいます。
逆に夏場に困る患者さんも。
ふわふわのセーターが好きなある患者さんは、真夏でも着てしまいます。いくら空調が効いている院内とはいえ、夏はそれなりに暑くなるので体温が上がってしまうのです。
きっとそれぞれに思い入れがあるのでしょうが、体調を崩してしまわないか心配が絶えません。
できるだけご本人の気持ちに沿って、でも季節に適した服装をしてもらうために、衣替えの季節はいつもよりちょっとバタバタです(笑)。
漫画・コラム:きやゆか
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