訪問介護を利用するある女性は、要介護2で認知症があります。そのためほとんどのことを覚えていません。
ある日、ヘルパーが入浴介助でお宅を訪れると、その場には旦那さんが。認知症の奥さんにあるものを見せると……ステキなご夫婦のエピソードです。
冷える季節になってきました。皆さま風邪をこじらせたりされていませんか?
私たちが訪問介護で担当している利用者さんたちは、実は風邪をひいても症状がハッキリと出にくいんです。
何だか体調が悪い、微熱が続くなと思ったら肺炎になってしまっていたというケースも多々あるので、訪問の際には常に注意を払って利用者さんを観察しています。
もし長引く風邪症状があったら市販の薬で対応し続けず、早めに主治医に診てもらうようおすすめします。
さて話は変わりますが、先日ある女性を入浴介助で訪問しました。ご夫婦で二人暮らしですが、奥さまの認知症が進行したことから入浴のお手伝いをすることに。
入浴では、風邪をひかないようしっかり浴槽に浸かって温まっていただきます。
奥さまは認知症で私のことは覚えていないのですが、お風呂上がりにいつも「ありがとう」と言ってくださる優しい方です。
ソファーに座ってもらおうとすると、そこにいたご主人が「ちょっとこっちで一緒に見よう」と、奥さまに1冊の雑誌を差し出しました。
それは紅葉特集の旅行雑誌。
「妻は紅葉が大好きなんだ」「こうして写真を眺めていると、昔一緒に紅葉を見に行った思い出を語ってくれるんだよ」と、ご主人は非常に嬉しそう。
奥さまも「ここは行ったことがあるね」など、言葉数は少なくとも幸せそうです。
奥さまは認知症のために記憶が曖昧なのですが、美しい思い出はいつまでも消えないものなのだなと感心させられました。
著者:藤木 なみき
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