ある高齢者が若い頃に収集していた大事なコレクション。でも「過去のものだし」と、買取店に持ち込んでみると……。
訪問介護の利用者さんがヘルパーに語ったガッカリした出来事とは?
訪問介護で利用者さんのお宅を訪問するとき、いつもお伺いすることがあります。
「お変わりありませんか?」
利用者さんには飽きられているかもしれませんが、毎週、毎回同じことを尋ねます。
そうすると利用者さんの様子の違いに気付くことができるんです。
「お変わりありませんか?」と聞いて、うんうんとうなずくだけの方も、少し調子が悪いときは「実は…」と話されるし、逆に毎回近況をすべて話してくださる方が「別に…」ということも。
そんなときはちょっとどころの変化ではありません。家族や友だちと何かあったかもしれませんし、認知機能に陰りが見えている可能性もあります。
ヘルパーは、掃除・買い物、排泄・入浴、通院のお手伝いをするだけが仕事ではなく、利用者さんの変化を事業所に報告するのも立派な仕事。こちらの方が重要といってもいいかもしれません。
先日訪問した男性利用者さんは、「お変わりありませんか?」と聞くと少しムスッとし、ご機嫌斜めのようでした。
サービスが終わって記録をするときに、話せそうな雰囲気だったので「何かあったんですか?」とお伺いすると、「コレクションに安値をつけられた」と拗ねたような表情です。
テレホンカードを収集しているのは知っていましたが、それを買取店に持って行ったら二束三文の買取価格をつけられ、売らずに全部持って帰ってきたんだとか。
「こいつらはワシが一生かわいがると決めた!」と、話されたあとはなんだかスッキリされた表情で、聞いてよかったなと思いました。
ご機嫌斜めの方に話しかけるのは、正直勇気がいるんですけどね。
漫画・コラム:藤木 なみき
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