思い出のコレクションなのに!買取価格にガッカリした高齢者のお宝とは【介護漫画】

ある高齢者が若い頃に収集していた大事なコレクション。でも「過去のものだし」と、買取店に持ち込んでみると……。
訪問介護の利用者さんがヘルパーに語ったガッカリした出来事とは?

思い出のコレクションがこの値段?

訪問介護で利用者さんのお宅を訪問するとき、いつもお伺いすることがあります。

「お変わりありませんか?」

利用者さんには飽きられているかもしれませんが、毎週、毎回同じことを尋ねます。
そうすると利用者さんの様子の違いに気付くことができるんです。

「お変わりありませんか?」と聞いて、うんうんとうなずくだけの方も、少し調子が悪いときは「実は…」と話されるし、逆に毎回近況をすべて話してくださる方が「別に…」ということも。

そんなときはちょっとどころの変化ではありません。家族や友だちと何かあったかもしれませんし、認知機能に陰りが見えている可能性もあります。

ヘルパーは、掃除・買い物、排泄・入浴、通院のお手伝いをするだけが仕事ではなく、利用者さんの変化を事業所に報告するのも立派な仕事。こちらの方が重要といってもいいかもしれません。

先日訪問した男性利用者さんは、「お変わりありませんか?」と聞くと少しムスッとし、ご機嫌斜めのようでした。
サービスが終わって記録をするときに、話せそうな雰囲気だったので「何かあったんですか?」とお伺いすると、「コレクションに安値をつけられた」と拗ねたような表情です。

テレホンカードを収集しているのは知っていましたが、それを買取店に持って行ったら二束三文の買取価格をつけられ、売らずに全部持って帰ってきたんだとか。

「こいつらはワシが一生かわいがると決めた!」と、話されたあとはなんだかスッキリされた表情で、聞いてよかったなと思いました。
ご機嫌斜めの方に話しかけるのは、正直勇気がいるんですけどね。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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