老若男女が楽しめる100円ショップ。訪問介護の利用者さんもたくさんの便利グッズを買い込んだようです。
特にある100円グッズがお気に入りだった利用者さん。もしかしたら天国の旦那さんはちょっと複雑な表情をしているかも?
訪問介護の利用者さんの中には、一人でお買い物に行けない方がけっこういらっしゃいます。杖歩行でも歩けて20分くらいでしょうか。
どこか座れる休憩所があればいいのですが、知らないところを歩くのは怖いようです。麻痺があったり膝の手術をされた方などは、特に外出が億劫みたいですね。
さて、ここまでは男女に違いはありません。
ですが、利用者さんの性別と息子・娘の組み合わせによって、利用者さんが使う生活用品の便利度が違ってくるように思います(そうでない場合もありますよ)。
例えば、息子がいる女性の利用者さんだと、私たちヘルパーによくこう呟かれます。
「息子は気が回らなくて困る……」。
「トイレの洗剤を買ってきて」とボトルまで渡したのに、同じ色味のお風呂用洗剤を買ってきたり、牛肉が欲しいと頼んだら800グラムぐらい入ったメガパックを買ってきたり。
一緒に買い物に行っても「早く帰ろう」と急かされるからゆっくりできなかったり……などなど。
男性の利用者さんと息子さんの組み合わせだと、そういう困った出来事は耳にしません。
特に女性利用者さんに不満が多いようです。
私が担当するある女性の利用者さんには娘さんがいらっしゃいます。
脳梗塞を患ってから少しだけ左手に麻痺が残ったという利用者さん。「一人が気楽でいい」と、とてもお元気です。
一駅先に住む娘さんとは仲がいいようで、「この前、娘の車で100円均一に行ってきた」と楽しそうでした。
利用者さんは一人での遠出が難しい場所にお住まいで、買い物は主にインターネットを活用されています。
商品によっては割高になってしまうので、娘さんが「もっとお得に買える場所がある!」と100円ショップを紹介されたそうです。
利用者さんは「本当にビックリした」と嬉しそうに、買った商品を見せてくださいました。
「特にこれを見て欲しい」と取り出されたのは仏花の造花。「これはお得。毎回生花を買わなくてすむ!」と大喜び。
お仏壇のご主人の写真の顔が少々淋しそうではありましたが……思いは変わらないと思います。
漫画・コラム:藤木 なみき
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