真夏にスーパーへ買い物に行った高齢者。着いてみると行列が……。
若者のある行動に心が温かくなったエピソードを、訪問介護のヘルパーに教えてくれました。
暑い日が続いています。
訪問介護サービスの際、ヘルパーは利用者さんが熱中症にならないよう注意していますが、もっとも気を付けなければいけないのは一人暮らしの高齢者。
水分を多めに摂る習慣がない高齢者は特に注意が必要で、さらに「一人なんだから扇風機ひとつで大丈夫!」と我慢大会のように部屋で扇風機とにらめっこしている高齢者も危険です。
真夏にそんな利用者さんのお宅を訪問して、呼び鈴を鳴らしても返答がない。その後、実は熱中症を発症して部屋の中で倒れていたというケースを何度も見てきました。
もしもご家族で、もしくはご近所で一人暮らしのご高齢者がいるようでしたら、ぜひ熱中症予防の声掛けをしていただきたいと思います。
気温の高さも心配ですが、最近では物価が高いことも話題に。
買い物の支援でヘルプに入ったあと、「○○は何円だった?」「値上がりしてるね」などとレシートを見ながら落胆される利用者さんがほとんどです。
かく言う私も子供がいるので、食料品価格の高騰は大打撃。ついつい財布のひもが堅くなってしまいます。
そんな厳しいご時世ですが、ある利用者さんから「ちょっと聞いて」と近くのスーパーまで買い物に行ったときの話を聞きました。
お掃除のサービスが終わって介護記録を書いていたときのことです。
そのスーパーは水曜日だけ卵を特価で販売しているとのこと。利用者さんもその卵を狙って早めに家を出たそうですが、到着したときには既に行列ができていたんだとか。しかも、うだるような暑さの日です。
「行列できてるなんて思わなかったから、日傘もうちわも持ってなくて困ってたの。そしたら……」。
利用者さんの前に並んでいた若者が、「良かったら」とハンディ扇風機を貸してくれたのだそう。
「暑くてどうにかなりそうだったけど、優しい子のお陰で助かったわ」と微笑んでいらっしゃいました。
地域の支え合いの心がまだ活きていることを知り、ヘルパーとして胸が熱くなるエピソードでした。
漫画・コラム:藤木 なみき
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