認知症の方への対応は?介護士が実践するコミュニケーション方法【漫画】

「ごはんまだ?」「物を盗まれた」などといった認知症の方の発言。
コミュニケーション方法に悩む方も少なくありませんが、介護士はある対応を実践しているようです。

認知症の方の発言に困ったときは

私の働く精神科病棟では、長期の入院により認知症を発症する方も少なくありません。
そこで、認知症の方への接し方で私たちが気を付けていることや対応方法をご紹介したいと思います。ただし、患者さんには精神疾患もあるので、一概には言えないかもしれないことをご了承ください。

まず接し方で気を付けたいのは、認知症の方の訴えに対して否定も肯定もしないこと。

例えば、ごはんを食べたことを忘れてしまったときに「さっき食べたでしょ」は禁句です。
ご本人は“食べてない”から満腹感もないらしく、だからと言って食べてばかりは体に悪い。なので、お茶を出したり少し散歩に出たりと気を紛らわせるのがいいと思います。

なかには認知症の症状で被害妄想がひどくなる方もいます。
私物を盗まれた、火事になった、誰かが殺しにくる……妄想とはいえご本人にはとても怖いことでしょう。
実際に警察や消防に電話をしてしまい、確認の折り返しがかかってくることも多々あります。

「私物を盗まれた」なら一緒に荷物を確認し、「火事になった」ならご家族に電話をして無事を確かめ、さらに巡視を増やしてこまめに声掛けをすると、ほとんどの場合は安心してもらえます。

またすぐに忘れて同じ訴えを繰り返すこともありますが、そんなときは何度も対応。すると、信頼してもらえるのか、話を聞くだけですむことも。
「あなたが言うなら大丈夫ね」と納得してもらえると、全部は忘れないでいてくれるんだと嬉しくなります。

以前、認知症の初期だった患者さんが「頭がだんだんぐちゃぐちゃしてくる」と怯えて泣いていたことがありました。
私はなにもしてあげられませんが、少しでも安心してもらえるように何度でもしっかりと患者さんの話を聞きたいと思います。

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漫画・コラム:きやゆか

介護福祉士
精神科病院に勤務する介護士。看護補助として働く。自己研鑽の院内研修を終了し、その後介護福祉士を取得。勤続10年を迎えてベテラン域に入り、責任のある立場に押し上げられ新人指導にもあたるが苦戦する毎日。家では夫と2人の息子、犬の世話に追われ、合間にイラストや漫画を作成する毎日を送る。

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