「キィキィ…」薄暗い中から患者さんが…介護士が夜勤で聞いた音の正体とは【漫画】

患者さんが寝静まり職員数も少ない夜間――そんな夜勤中は介護士が驚くような出来事が起こることもしばしば。
夜勤中、介護士が巡視に回っていると薄暗い中から「キィキィ…」という謎の音が……。そこから現れたのは患者さんでした。

「あら、こんばんは」

患者さんは夜になると元気になってしまうことがあります。昼夜逆転しないように多くの患者さんには睡眠導入剤が処方されていて、夜はしっかり休んでもらうようにしているのですが……。

骨折して車椅子を使っているソノさん(仮名)。また自分で歩けるように訓練を始めたころの話です。歩行訓練の一環として、日中の職員が多いときに車椅子を押して歩いてもらうようにしていました。

ある夜勤の日、薄暗い中から「キィキィ…」と車イスの音が。見るとソノさんが歩いてくるところでした。
話を聞くと「今日の仕事が終わっていない」とのこと。まじめなソノさんは一日に歩く分を自分で決めていたようで、それを自分の仕事だと思っている様子。
無理にお部屋に連れて行ってもまた起きてしまうだろうし、少しお付き合いすることにしました。

若い頃には朝から晩まで畑仕事、夜も裁縫の内職をやっていたというソノさん。「病院にいるうちはお仕事しないでのんびりしてください」と言っても、なんだか居心地が悪そうです。

一人で歩くのは危ないし、夜は休まないと体がもちませんよとお伝えすると、やっと「じゃあ昼間にするね」と約束してくれました。

いつまでも忙しく一生懸命働く(?)ソノさん。私も見習ってがんばらないと!と思った出来事でした。

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漫画・コラム:きやゆか

介護福祉士
精神科病院に勤務する介護士。看護補助として働く。自己研鑽の院内研修を終了し、その後介護福祉士を取得。勤続10年を迎えてベテラン域に入り、責任のある立場に押し上げられ新人指導にもあたるが苦戦する毎日。家では夫と2人の息子、犬の世話に追われ、合間にイラストや漫画を作成する毎日を送る。

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