「デイサービスなんて行きたくない」と頑なに拒否する高齢者は少なくないようです。家族は行ってほしいのに本人は嫌がる……お互いの気持ちが嚙み合わず膠着状態になってしまうことも。
そんなときにとっておきの秘策を持っているのはケアマネかもしれません。
訪問介護の仕事をしていると、利用者さんとご家族のケンカを見かけることがあります。ケンカといってもつかみ合いのような本格的なものではなく、他愛もない口喧嘩です。
「お母さん、頼むから外へ出るときは杖を持ってよ」とか「お父さん、いいかげんお酒やめてよ」といった同居家族による心配事です。
それに対し、「イヤ」「ふん」と利用者さんが話を聞かない、もしくは「わかってる!」などと言い返すといったやり取りが多く、けっこう長い時間もめていることもあります。
子供からしたら、「頼むからケガをしないでほしい」「長生きしてほしい」というあたたかい気持ちの表れなのですが、親、つまり高齢者側は「何を生意気な!」と突っぱねたくなるようです。
特にデイサービスへ行くのを嫌がる利用者さんは多くいらっしゃいます。理由はさまざまですが、とにかく皆さん「行きたくない」と初手でおっしゃるものなんです。
なので家族が「デイに行ったら?気晴らしになるよ?」などと促すと、そこからちょっとした口喧嘩がはじまったりします。
デイサービスには介護職員や看護師が常駐しているし、食事ができてお風呂にも入ることができる。しかも送迎付きなのですから、ご家族がすすめるのも当然ですよね。
それでも嫌がる特別頑固な利用者さんの説得には、ケアマネさんが直接出向くケースも少なくありません。私たちヘルパーが訪問している最中に話し合いの場が設けられることも。
「デイは賑やかでいいですよ」「同じような悩みを持った方がいるかもしれませんよ」と穏やかに説得するケアマネさん。しかし利用者さんはなかなかに頑固です。
そんなとき、女性利用者さんに効果があるとっておきの存在が“デイサービスの若い男性スタッフ”。
「運動をするときも食事をするときも彼らがついててくれますよ」とケアマネさんが伝えると、まぁまぁの確率でイエスと答えてくださいます。
もちろんお互いに信頼関係があるから成立する成功例ですが、もし高齢のご家族がデイサービスに行き渋っていたら、“彼らの存在”もひとつの説得材料になるかもしれませんね。
漫画・コラム:藤木 なみき
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