訪問介護でヘルパーが提供するサービスのひとつ、服薬介助。利用者さんがきちんと薬を飲んだかを確認したり、薬を準備したり。
ある日、ヘルパーが飲んでいない薬を発見。説得を試みますが……。
ヘルパーの仕事の中には、「服薬確認」というサービスがあります。服薬確認を必要とするのは、認知症や物忘れが原因で服薬をうまくできない方がほとんどです。
近ごろ物忘れがひどくなったという利用者さん。ご家族から「薬を飲み忘れているみたい」という報告があり、私たちヘルパーがサービスに入っていました。
その利用者さんの薬は、お薬カレンダーという壁に吊るすタイプのケースで管理されています。その日の分がちゃんと減っているかを目視で確認し、服薬をチェック。
サービスを開始してからしばらくすると、あることが判明しました。利用者さんは主治医から処方されている漢方薬を飲まずに捨てていたのです。
それを見つけたのはご家族だったのですが、報告を受けてヘルパーが動き出してからも利用者さんは漢方薬を飲んでくれません。
ヘルパーが声を掛けても「苦いから毒じゃないの?」と言ったりしてはぐらかします。
ゴミ箱に入った漢方薬を発見したことから、サービス提供責任者に報告して「ケアマネさんからちゃんと注意してほしい!」とも訴えていたヘルパーも。
そんなヘルパーの努力を知ってか知らずか、利用者さんは笑ってごまかそうとするなど、なかなかすんなり漢方薬を飲んでくれません。
サービス開始時はヘルパーとそんなに話すこともなかった利用者さん。時間が経つにつれて仲良くなっていったのですが……。
仲良くなりすぎるというのも考えものなのかもしれないな、と思った出来事でした。
漫画・コラム:藤木 なみき
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