とても優しい訪問介護の利用者さん。親切心で“あること”を続けていたら、いつの間にか団地の事情通になっていたようです。
ある訪問介護の利用者さんは、公営の団地に住んでいます。棟ごとに高齢のご婦人同士のコミュニティがあるという賑やかな団地です。
その方は、毎月集会所で開催される“婦人会喫茶”を楽しみにしているのですが、それぞれの事情でその日に来られない女性もいるとのこと。
婦人会は少額の会費制なので、利用者さんは休んだ方の分のお茶菓子を直接届けているそうです。
「冬場は冷えるしちょっと腰が痛いときもあるけど、届けると嬉しいこともあるから続けてるよ」と利用者さんは言います。
婦人会喫茶を休んだ方のお宅を一人ひとり訪ねていくと、嫌な顔をする人は絶対にいないんだとか。
一応、先に婦人会の連絡網を使って連絡してから訪問するそうですが、この電話だけでも結構楽しいそうです。
玄関先で渡して帰ろうとすると「上がって上がって!」と、そこから世間話がはじまります。
「主人を病院に連れて行く日と被って疲れていた」「最近体調が悪かった」など、婦人会を休んだ理由からはじまり、次は体調のこと。
膝・腰・関節痛がひどいときの対策などについて情報交換をします。
それから、婦人会のメンバーがたくさんいるところでは話しにくい内容について。例えば、ご主人がわがままで困るとか、娘や息子がなかなか結婚しないとか……。
そんなよもやま話も楽しくて、利用者さんご自身もすごく元気になれるそうです。
「自分は一人暮らしで寂しいから、おしゃべりができると本当にホッとする」と、笑顔で話していました。
漫画・コラム:藤木 なみき
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