紅葉を見に山へ。登頂は断念したけれど…高齢者を笑顔にしたほっこりエピソード【介護漫画】

秋になると毎年紅葉を見に行っているという高齢者。いつもは山頂まで登っていましたが、今年は途中で断念したそう。
ですが思いがけず「恥ずかしかったけどほっこりした」という出来事があったようです。

「このまま下山するのはもったいない!」

秋はさわやかで過ごしやすく、訪問介護の利用者さん方も外出する機会が増えます。
訪問する際にはいつも「お変わりありませんか?」と声を掛けるのですが、この季節は外出先でのエピソードトークに花が咲くこともしばしば。

「娘の家に遊びに行ってきた」「百貨店でウインドウショッピングしてきた」など、皆さん楽しんでいらっしゃる様子です。
ですが、「寒くなる前に行かないとね~腰や膝が痛くなるから」との声も多く、この時期に外出が増える理由のひとつになっているんでしょうね。

ある日、女性利用者さんのお宅へ行くと、玄関に登山用のトレッキングポールが置いてありました。聞いてみると、「友だちと登山に行って来たんだよ」とのこと。

ちょっと残念そうな、照れたような表情をされています。
「毎年この季節には友だちと同じ山に登るんだけど、ついに膝や足が痛むようになって……若い頃は簡単に登れたのにね」と、どうやら今年は登頂できなかったようです。

しかし、山登りに行こうという気合だけでも素晴らしいことです。
「行くことに意味がありますよ」「準備も大変だったでしょう」と伝えると、「そうなの!」と、大変だったことや、一緒に行った友人は幼少期の頃からの親友であることなど、たくさんのエピソードが出てきました。

そして、登山でのほっこりしたエピソードも。
「登頂できなかったから2合目でお弁当を食べて帰ろうという話になったの。のんびりおしゃべりながら食べていたら、遠足で来ていた幼稚園の子どもたちと一緒になって……ワイワイ大賑わいだったのよ」と、笑顔の利用者さん。

「子どもって本当に元気ね。食べたらすぐに走ったり高いところに登ったり。私にもきっとあんな頃があったんだわね」「いまはとてもじゃないけど、あんなふうに走れないわ」と笑っていらっしゃいました。

登山から帰ったあとは、家に帰ってから幼稚園時代のアルバムを開き、友人と電話で思い出話をしたそうです。
利用者さんは今回の登山で足腰の衰えを感じたそうですが、「来年はせめて3合目まで登りたい」と、意欲を見せていました。

この記事をシェアする

漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

ハートページナビは、介護保険・介護サービス事業者情報誌「ハートページ」のWebサイトです。
ハートページ誌は、全国約70市区・約100万部を発行する業界最大級の介護情報誌。20年を超える歴史(2001年創刊)、カバーするエリアの広さ、発行部数、各自治体や連絡協議会と連携し制作された信頼性の高さで、介護に関わるみなさまより高い評価を得ています。
ハートページナビでは、介護情報を専門に扱うサイトとして、介護に関わる皆さまに必要な情報、役立つ情報などを掲載しています。

おすすめコンテンツ

メニューを閉じる