来年度に控える医療、介護、障害福祉の報酬の“トリプル改定”に向けて、制度横断的な課題の整理などを図る意見交換会の19日の会合 − 。厚生労働省はテーマの1つに「認知症」を取り上げた。【Joint編集部】
2040年にかけて認知症の高齢者が急速に増えていく(*)との見通しを示し、「今後、誰もが認知症と共に生きることになる可能性がある」と説明。「本人の意思が尊重され、誰もが尊厳をもって暮らし続けることができるよう、適時適切な医療・介護を受けられる体制の整備が求められる」との認識を示した。
* 推計では認知症の高齢者が、2025年で約700万人に、2040年で約800〜950万人(65歳以上の高齢者の4〜5人に1人)に達すると見込まれている。
あわせて「検討の視点」として、
○ 特に1人暮らしの高齢者について、認知症に早期に気づき、社会生活を継続していけるように、適時適切な医療・介護、服薬支援、生活支援などが提供されるためには、どのような方策が考えられるか。
○ 専門的な医療・介護の提供が可能な人材を育成し、認知症の人への理解や対応力を現場で更に向上させていくためには、どのような方策が考えられるか。
○ 多職種で連携しながら、BPSDへの適切な対応やBPSDを未然に防ぐケアを推進するためには、どのような方策が考えられるか。
○ 認知症の人に適切なケアを提供する目的で、認知機能や生活機能などを適切に評価するためには、どのような方策が考えられるか。
などを提示。これから具体策を検討していく意向を示した。
日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は意見交換の中で、「介護者が要介護の状態にあったり、軽度認知症の方が認知症の方を支えていたりする事例も増えている。1人暮らしだけでなく、こうした世帯も考慮に入れて生活支援の体制を構築する必要がある」と提言。全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「効果が証明されている認知症ケアについて、介護報酬上の評価をしていくことで事業所の対応力も高まる」と意見した。
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