来年4月の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会で7日、厚生労働省は介護老人保健施設を俎上に載せた。【Joint編集部】
利用者の在宅復帰を後押しする機能の更なる促進を論点として提示。医療ニーズへの対応力の強化、リハビリテーションの充実、適切な薬剤調整の実施などを図る意向を示し、委員に意見を求めた。
現在、老健には大まかに5つのタイプがある。在宅復帰を後押しする機能の実態に応じて、超強化型、強化型、加算型、基本型、その他。今年2月のデータでみると、超強化型、強化型、加算型の3つで全体のおよそ7割を占めるに至っている。
日本医師会の江澤和彦常任理事は、「超強化型など機能が高くなるほど、人件費が上がったり稼働率が下がったりして経営が厳しくなる。基本報酬の設定についてより詳細な検討が必要ではないか」と提言。連合の小林司生活福祉局長は、「在宅復帰に向けた地域拠点としての役割、リハビリで心身機能を維持・改善する役割は引き続き重要。報酬のメリハリ付けも念頭に置きつつ、サービスを必要とする高齢者がしっかりと利用できるようにしていくことが必要」と述べた。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「老健の経営環境は厳しさを増している。基本報酬の増額の検討を」と要請。「機能の高い老健ほど有資格者の配置も多い。在宅復帰などの機能を果たそうと頑張っている施設が報酬上もきちんと評価されるようにして欲しい」と求めた。
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