財務省は1日、国の財政を話し合う審議会(財政制度等審議会・財政制度分科会)で来年度の介護報酬改定について提言した。【Joint編集部】
介護報酬の大幅な引き下げなどを訴えてきた過去の改定の例と比べると、全体としてマイルドな主張が目立つ。他産業の賃上げの進展もあって人材不足が一段と深刻化していること、コロナ禍や物価高騰も重なって事業者が苦しんでいることなどを考慮したとみられる。
ただ、やはり膨張する給付費の適正化・効率化を強く要請。人材を確保して必要なサービスを提供していくことの重要性を認めつつ、国民の税・保険料の負担を抑えて制度の持続性を保つ視点も欠かせないとした。
具体策としては、「メリハリをつけた改定とすること」を注文。「収支差率の良好なサービスについては、報酬水準の適正化・効率化を徹底すべき」と求めた。厚生労働省が今秋に公表する「経営実態調査」などを参考に、サービスによっては報酬の引き下げも検討するよう促した形だ。
財務省はこのほか、事業所の経営の協働化・大規模化、見える化、人員配置基準の柔軟化、利用者負担2割の対象者の拡大なども提言した。
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