財務省、介護費抑制へ集合住宅の囲い込みに照準 外付けサービスの上限の厳格化を要請

財務相へ建議を提出する財政審会長|5月21日(写真提供:財務省)

国の財政を話し合う財務省の「財政制度等審議会」は21日、政府が6月にも策定する今年度の「骨太の方針」に向けた建議をまとめた。

持続可能な財政構造の構築に努めることの重要性を訴える内容。膨張を続ける介護費を抑制する方策も提言した。【Joint編集部】

住宅型の有料老人ホームやサ高住などが入居者を囲い込み、介護サービスを過剰に提供しているという問題意識を改めて明確に示した。

訪問介護や通所介護の同一建物減算などにとどまらず、更に踏み込んだ対応が必要と主張。集合住宅の入居者へ外付けの介護サービスを提供する場合、その上限額をより厳格に定めるよう要請した。

現行、この場合の上限額には入居者ごとの区分支給限度基準額が用いられる。財政審は今回、新たに介護付きホームの「特定施設入居者生活介護」の介護報酬を適用すべきと求めた。

財務省は今後、こうした施策の具体化を政府内で働きかけていく方針。次の介護報酬改定をめぐる論点の1つとなる見通しだ。

要介護5の高齢者でみると、区分支給限度基準額はおよそ36.2万円(3万6217単位)。これに対し「特定施設入居者生活介護」の介護報酬は、およそ24.4万円(813単位/日)にとどまる。

財政審は建議で、「出来高払いの介護サービスを外付けで提供した方がより多くの報酬を得られる。こうした構造が利用者の囲い込み、過剰サービスの原因になっている」と指摘。「介護報酬の仕組みを見直すべき」と注文した。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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