全ての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度について、厚生労働省は2日、その概要や留意点などをまとめた通知を発出した。介護保険最新情報のVol.1297で関係者に広く周知している。【Joint編集部】
介護事業者に経営情報を報告してもらうツールとして、新しい「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」の整備を進めていると説明。来年1月から稼働を始めるとアナウンスした。それに先駆けて、現場向けの運用マニュアルなどを今年秋頃に公表するという。
この新たな制度は、昨年の法改正に基づいて今年度から導入されたもの。介護事業者の経営状況を“見える化”し、実態をより正確に把握・分析できるようにすることが目的だ。3年に1度の介護報酬改定や介護職の処遇改善など、今後の重点施策の精度向上につなげる狙いがある。
介護事業者に義務付けられたのは、毎年の経営情報の都道府県への報告。原則、報告は事業所・施設単位で行う。過去1年間の介護報酬が計100万円以下など、一部の例外を除く全ての介護事業者が対象だ。
報告する経営情報は、事業所・施設の基本情報や収益、費用、職種別の職員数など。費用では給与費、業務委託費、減価償却費、水道光熱費などの内訳も必須とされた。
報告の期限は、毎年の会計年度終了後から3ヵ月以内。ただし、初回にあたる今年度の報告に限って今年度中までとされている。
介護事業者はこうした報告のために、新しい「介護事業財務情報データベースシステム」を使うことになる。介護ソフトから出力したcsvファイルをアップロードしたり、Webの専用フォームに入力したりする形が可能だ。稼働開始は来年1月。初回の報告は、来年1月から3月までの間に済ませなければならない。
新しい「介護事業財務情報データベースシステム」のログインには、GビズIDアカウントが必要となる。準備の開始は酷暑が去ってからでも遅くはない。厚労省は通知で、「アカウントの作成方法やGビズIDアカウントの運用方法などの手引きを作成している。今年秋頃のシステムの運用マニュアルの公表と併せて通知する」と説明した。
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