通所介護の送迎、有効活用で地域交通の再構築を 厚労省がルールなど通知 「生産性を高める積極的な対応を」

介護現場の人手不足や高齢者の移動手段の確保が大きな課題となるなか、通所介護などの利用者の送迎をより効率的・建設的に運用しようという試みが各地で生まれている。【Joint編集部】

では、介護保険制度との兼ね合いなどルールはどうなっているのか。

厚生労働省は今月11日、それらを整理した通知を発出。「交通分野と介護・障害福祉分野の関係者が連携して地域交通を維持し、より利便性・生産性・持続可能性の高い地域交通への再構築が図られるよう、主体的かつ積極的な対応を」と呼びかけた。

例えば、運営主体が違う複数のデイサービスの利用者が1台の車両に同乗する共同送迎。厚労省は既に、以下の条件を満たしていれば介護報酬の支給対象となり、送迎減算も適用されないという解釈を示している。

条件
◯ 必要な雇用契約、または委託契約を結んだうえで、費用負担や責任の所在など共同送迎の条件を事業所間で協議・決定していること

◯ 送迎が利用者の利便性を損なうことのない範囲で、かつ、各事業所の通常の事業範囲であること

今回の通知ではこれを改めて説明。「送迎業務を可能な限り効率化し、介護職員の負担を軽減することが求められている。共同送迎は効果的な方策の1つ」と指摘した。

厚労省はあわせて、デイサービスなどの送迎車両を空き時間に有効活用することにも言及。「利用者の送迎が行われない時間で、利用に支障がない範囲で行われる場合には、介護報酬に影響なく実施可能」と明記した。

続けて、「あくまでも空き時間の活用で、利用者と地域住民の同乗を可とするものではない」「実費を超えた対価を受領する場合は、道路運送法の許可、または登録が必要」と解説。次のように検討を促した。

「通所介護などの送迎車両やドライバーは、特に交通事業者によるサービスが不足している地域で有効な輸送資源となる場合がある」

厚労省はこのほか通知で、介護事業者の送迎業務の外部委託や総合事業の取り扱いなども説明。関係者の平時からの連携や十分な情報共有、調整などを求めた。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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